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バングラデシュとラップミュージック

日本から西へおよそ4800キロ。飛行機を利用すれば、タイやシンガポールを一度経由するもののおよそ12時間で着弾!インドとミャンマーにはさまれたベンガル湾に面する国、バングラデシュ。正式名称は、バングラデシュ人民共和国。外務省によると、広さは日本のおよそ40%ほどの14万7000平方キロメートル。そこに日本よりも多い世界第8位の人口およそ1億7000万人が現在暮らしているため、バングラデシュは”世界で最も人口密度が高い国”っていわれてるそうですよ。

認定送出機関GRAバングラデシュより借りパク

現在のインド・パキスタン・バングラデシュは、かつてイギリスの支配下に置かれていた”イギリス領インド”として1つの国だったんだって。それが1947年にイギリスから独立する際に、宗教ごとに国がつくられることになって、ヒンドゥー教を主体にしていたインドからイスラム教の人が多いパキスタンが分離。このときパキスタンは、インドを挟んで”東パキスタン”と”西パキスタン”の東西2地域に分かれていたそうです。でも、東と西のパキスタンでは言語が異なる(東がベンガル語、西がウルドゥ語)ことに加えて、独立以降、東パキスタンに対する西パキスタンの支配と搾取が続いていたため、東パキスタンを占めるベンガル人がパキスタンからの独立を宣言。独立戦争を経て、1971年に東パキスタンは独立し”ベンガル人の国”という意味のバングラデシュ人民共和国が誕生したんですって。・・・以上、日本の企業の情報を自転車泥棒並にパクりました!スマートグラスを使ってカンニングする必要がないくらいに、勉強になったね。明日になったら、たぶん忘れているけどー!

秋田魁新報より不正DL

そんなバングラデシュは国民のおよそ90%がイスラム教徒で、文化もイスラム教をベースとして発展してきたらしいですよ。バングラデシュに住むイスラム教徒のルーティンは1日に5回お祈りをし金曜日にはモスクに行くことで、女性はヒジャブという頭髪をおおう衣類を着けている人が多いみたいです。食事は、牛肉や羊肉は食べるけど、イスラム教の教えに従って豚肉は食べず、お酒もダメ 、ゼッタイ!食事は基本的に右手を使って食べるそうです。バングラデシュはかつて”アジア最貧国”といわれていたらしいですが、近年は中国に次ぐアパレル輸出国として急速に経済成長をしてて貧困率も減少しているみたいですよ。良かったね!

そんなおよそ50年前にできて最近はアジア最貧国からの経済成長をしている国、バングラデシュですが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の2023年の報告によりますとですよ・・・

バングラデシュの音楽市場も拡大傾向にあり、フォークソング、ロック、ヒップホップなどの音楽ジャンルの人気が高まっている。

バングラデシュにおけるコンテンツ産業の調査(2023年3月)

バングラデシュでも、ヒップホップの人気が高まっているみたいですね!ヒップホップは、”ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティ”の4つの大きな要素がありますが、その1つラップミュージック(音楽)がバングラデシュで歌われ始めたのはインドの新聞『Financial Express』によりますと、1993年!Ashraf babu & Charu(アシュラフ・バブ アンド チャル)という2人組が、1993年にリリースしたアルバム『Tri Rotner Khepa(/ত্রি- রত্নের ক্ষ্যাপা:読み方はたぶん、トリー ロットネラ ケパ)』にバングラデシュの公用語であるベンガル語を使ったラップミュージックを収録したのが最初らしいですよ。バングラデシュの日刊新聞『The Business Standard』も2023年8月28日の記事『Inside the impact of US's 'hip-hop diplomacy' in Bangladesh』の中で、バングラデシュでヒップホップカルチャーが始まったのは1990年代初頭で、Ashraf babu & Charuがバングラデシュにラップミュージックを普及させたと書いています。ちなみにアルバムは、イスラム教のラマダーン月の終了を祝う祭”イード・アル=フィトル”の期間に発表されたんだって。そのバングラデシュで最初にラップが歌われたぽいAshraf babu & Charuのアルバム『Tri Rotner Khepa』がYouTubeにアップされていました!たぶん違法アップロードという方法で!\ おーまーわりさーん /

「Cholche」 By Trironter Khepa

YouTubeの説明欄に、”গানের ধরন - র‍্যাপ গান‌(曲のジャンル - ラップ・ソング)と書かれています!Ashraf babu & Charuのアルバム『Tri Rotner Khepa』は、ビートが全てレゲエ調です。さらにYouTubeを、アタシの日課であるゴミ箱と同じように漁っていますと、パフォーマンス映像っぽいモノもディグれました。

নব্বই দশকের জনপ্রিয় এক্টি গান,,শিল্পি,, চারু, আশরাফ বাবু(90 年代の人気曲 アーティストはCharu & Ashraf Babu ※ChatGPT訳)

バングラデシュの首都・ダッカにあるブラック大学(BRAC University)のTahmin Alam Sitabさんが書いた論文『Resistance of Rap: An Ever Struggling battlefield in Bangladesh』によりますと・・・、1990年代、バングラデシュではまだインターネットは普及してなかったらしいのですが、ケーブルテレビの普及とゆるゆるな著作権法の影響で海賊版の海外のCDやDVDが出回っていて、それらがCD/DVDレンタルショップを通じてヘッズやパンピーなどの手に渡ったことによりラップミュージックは最初広まったそうです。

続く2000年代は、バングラデシュのラップミュージックの芽が花開いた時期らしくって、フレッシュなグループや曲が色々出てきたみたいです。中でも成功を収めたのが、2004年にバングラデシュ系アメリカ人によって結成されたグループ・Stoic Bliss(ストイック ブリス)で、ヒップホップとベンガル音楽を融合したデビューアルバム『The Light Years Ahead』は、バングラデシュで25万枚の売り上げを記録したらしいです。

Stoic Bliss 「Abar Jigay ( আবার জিগায় )」 Official Music Video 2020 || G Series

そして2006年、バングラデシュの首都・ダッカで爆誕したのが、バングラデシュで初めて”ギャングスタ・ラップ”をやったグループ、Deshi MCs(デシ エムシーズ)。Deshi MCsが2006年にリリースしたデビューアルバム『Banned』は当時、バングラデシュのテレビやラジオでヘビーローテーションとなったそうです。

Deshi MCs 「Engladeshi」 Album『Banned』

バングラデシュのギャングスタラップのオリジネーター、Deshi MCs。グループの元メンバーであるラッパー・Mc Mugz(耳に毛が生えているあたしヒアリングによると、エムシー マゴズ)さんが今年、2024年に新曲を発表したみたいですよ。しかも、お待たせしました、お待たせしすぎたかもしれません・・・、やっとMusic Video付きです!

Mc Mugz 「Kon Se Para (Prod by BIHAN)」 Official Music Video
プロデュースはバングラデシュの首都・ダッカのプロデューサー・BIHANさんで、ビートはブーンバップ系。曲名の「Kon Se Para」は、ChatGPTによると”どのエリアからエリア?”的な意味らしくって、リリックでは”どんなトラブルも乗り切ってきた”、”若いやつらはみんな飢えている”、”若いやつらが集まる 獣のたまり場”、”スピーカーでビートを鳴らす 窓ガラスも揺らす”、”所轄はどこのポリ署?どのエリア?”とか歌って、ダッカにある色んな町の名前を出しているフッドソングみたいですよ。Videoは、Mc Mugzさんとダッカの音楽プロデューサー・SnareBytさんが撮影していて、たぶんダッカの街、あとバングラデシュのラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティのヒップホップ4大要素が映ります。

そんなバングラデシュのラップミュージックのシーンですが、インドの新聞『Financial Express』は2022年7月の記事で、『バングラデシュの音楽市場も拡大傾向にあり、ヒップホップなどの音楽ジャンルの人気が高まっている』と伝える日本貿易振興機構(ジェトロ)の2023年3月の報告とは異なる、このような内容を報じています。

(バングラデシュでラップミュージックの)当初の人気の高まりは薄れ、2010年代初頭からはアンダーグラウンドに移行しました。

『Why the hip-hop culture could not sustain in Bangladesh』 Jul 06, 2022

そして記事はその背景を、2点解説しています。

1点目は、ラップミュージックは、アフリカ系アメリカ人が権力からの社会的抑圧や差別に対抗するものとして歌われてきた背景もあり、インドでもラップは権力に対しての怒りを表現したりしているそうです。しかし社会的な悪弊が根強いにも関わらず、バングラデシュでは”反体制的な音楽”は一般的に受け入れられない可能性があるようです。
2点目は、バングラデシュで音楽は日々の生活のバックグラウンドで流れている存在で、曲調はソフトで楽しい主流のポップミュージックが好まれる傾向があり、社会の悪に挑み複雑なメッセージを歌うラップのような音楽を聞く態勢がまだ国民の間でできていないと考えられているみたいです。

一方でウィキペディアは・・・、2006年以降をバングラデシュのラップミュージック・シーンの隆盛期、現在を全盛期としていて、2007年から 2010年にかけて、バングラデシュのラップミュージックはYouTubeなどで数百万回の再生数を獲得。2010年代後半には、バイラルヒットしたラップミュージックが多く出現。さらに2019年にGxP a.k.a Rakibさんの曲「Khagojer Note」、2020年には「Taka De」、「Kotha Kon Thik Na Bethik」というバングラデシュの汚職を批判したラップミュージックが発表されて、バイラルヒットとなった・・・、とか書かれています。

Eshara FT. Cfu 「Kotha Kon Thik Na Bethik (কথা কন ঠিক না বেঠিক)」 Bangla Song

ウィキペディアによりますと、バングラデシュの汚職を批判しているらしいラップミュージック。曲名の「Kotha Kon Thik Na Bethik (কথা কন ঠিক না বেঠিক)」は、ChatGPTによると”その言葉は正しいか間違っているか”っていう意味で、Videoにはお金が多く映ります。Videoは、これまでに再生回数1250万を超えています。

「真実はいつもひとつ」と見た目は子供、頭脳は大人に教わってきたのですが・・・、バングラデシュのラップミュージックは現在、冬の時代なのでしょうか?それとも、春を迎えているのでしょうか?それか北極の夏か、キリン秋味かしら。