台灣ガールズグループ'24.04.14 BOOM！怪物星人とHUR+ 緋紅魅影
日本の首都・東京から南西へおよそ2100キロ。沖縄とは700キロほどしか離れていない太平洋に面した島、台湾。日本政府によると、台湾は中国の一部で”国”ではないそうです。その台湾で、ポップスが生まれたのは音楽評論家の関谷元子さんによるとおよそ90年前の1932年。それからおよそ50年が経った1985年、バカのアタシ調べによりますけど台湾でポップスの”アイドル”グループが生まれます。ではその爆誕からおよそ40年が経った2024年、台湾Popのグループはどんな感じなのでしょうか？
2024年4月13日、台湾の南部にある都市・高雄（カオシュン）。ここで台湾出身のメンバーがいる韓国のポップグループ、(G)I-DLEや&TEAMが出演するK-POPコンサート『GOLDEN WAVE in TAIWAN』が開催された。会場は、最大で5万5000人を収容する高雄ナショナルスタジオ。チケットは、3月に発売されて即ソールドアウト、コンサート当日は音漏れ参戦の人も出たそうです。台湾でも、ポップミュージックのグループは人気があるみたいですね。翌日の4月14日、場所は、台湾の北部にある主要都市・台北（タイペイ）･･･。
時刻は、朝10時。台北市の中心地にある文化施設『華山1914文化創意園區』の屋外の広場に設営されたステージと座り込む人々、そしてそれを写真に撮るアタシの図。台湾のガールズグループ、BOOM！怪物星人（読み方はたぶん、ぶーん！ぐあいうーわいしんれん）の屋外コンサートの当日朝の様子。公演は1週間前に発表され、開演は午後2時と事前にアナウンスされていましたが、台湾も、ファンの朝はおはスタ並に早い。
そこから、およそ100メートルほど離れた場所にあるライブスペース『Legacy Taipei』。この日は台湾のガールズグループ、HUR+（ハー）とそのユニット・緋紅魅影 CRIMZON（クリムゾン）が9人体制となって初めてのコンサートを開催。開場は午後4時、開演は午後5時ですが･･･。
台湾のファンの朝は、朝キャバ並に早い。会場の客席がオールスタンディングのため、開場の6時間も前からファンの方が行列を作ってました。メンバーはこの後、BOOM！怪物星人のファンがいる広場の後ろを通って徒歩で会場入りしていましたが、BOOM！怪物星人のファンの方が声を上げることはなく、アガっていたのは日本から来たアタシだけでした！
ということでー･･･。台湾へ来たのに観光名所へは行かず、台湾の人たちと朝から芝生にシットイン。午後2時そして午後5時から、台湾のガールズグループのコンサートを見ます。渡辺直美さんプロデュースのカラコンをつけて。チィーース！
まずは、BOOM！怪物星人。BOOM！怪物星人は2023年10月に、NewJeans的にシーンに突然現れたガールズグループ。メンバーは、琳誼（リンイ・Ring）さん、小魏（シャオウェイ・Arrow Wei）さん、溫妮（ウェンニー・WINNI）さん、小V（シャオヴィ・Volcano）さんの4人、カタカナ表記は日本語もつたないアタシの全集中リスニングの呼吸を使ってたぶんで書いています！
台湾のニュースチャンネル『ftvnews』によると、BOOM！怪物星人のメンバーは、琳誼（Ring）さんと小魏（Arrow Wei）さんはグループ結成前にソロシンガーとして活動、溫妮（WINNI）さんはグループ結成前からリアリティ番組に出演し”國民妹妹（国民的妹）”と呼ばれてて、小V（Volcano）さんはグループ結成前にYouTubeに歌ってみた動画を投稿している、”創作”という接点によってグループは結成されたらしいです。音楽監督には、台湾のバンド・五月天の阿信さんが就いているんですって。
そして2023年9月から、メンバーの顔を明かさない状態で楽曲を4曲立て続けにリリース。すると、リリースした曲が次々と台湾のチャートを賑わしたんですって。そんなデビューしてまだ1年も経たない台湾のガールズグループ、BOOM！怪物星人。2024年4月14日のコンサートの1曲目は、開演前のSEで音が流れるとファンの人が振付けをマネして踊っていた曲で、そしてBOOM！怪物星人はこんな女子たちです。
BOOM！怪物星人 「BOOM！怪物星人」 Official Music Video
BOOM！怪物星人が、2023年10月にリリースしたデビューアルバム『BOOM！怪物星人』のタイトル曲。作詞作曲にメンバーの小V（Volcano）さんが参加した、バロックとエレクトロニックを合わせたダンスポップ系の曲。伝統的な社会に独自のスタンスで立ち向かうことが曲のテーマらしくて、歌詞ではChatGPTによると、”心は野心的””私は特別””怪物星人が地球に上陸 あなたを狂わせる あなたを興奮させる""自分を愛することを学ぶべき"とか歌っているみたいですよ。また、『他の人と違うと思っても怖がらないで、自分らしくいてください！』というメッセージを込めているんだって。
台湾のポータルサイト『Yahoo!新聞』によると、インパクトある”BOOM！怪物星人”というグループ名は、『それぞれの人が自らの人生の試練に直面したとき、地球を超えた考え方で音楽を通じて地球のみんなを癒す。認められない人や端っこにいる人たちが、BOOM！怪物星人の音楽の中で自分を発見して心地よく感じられる。ぜひ私たちのところへ来てね。』的な意味が込められているそうです。そんなBOOM！怪物星人の屋外コンサートは･･･
2曲目は、メンバーの溫妮（WINNI）さんと小魏（Arrow Wei）さんが作詞作曲のEDM曲「ReBorn重生」。
3曲目、メンバーの琳誼 Ringさんが作詞作曲のディスコ曲「InstaGirl 讓自己成為自己」。
4曲目に、作詞作曲にメンバーの小V（Volcano）さんが参加した「依然愛著 Still Love You」。5曲目が、全員で作詞作曲の「是不是又欠揍了 I’m Your Queen」。ともにバラード系と進んでいきます。
ステージは、メンバーの他にベース&ドラムのリズムセクションとダンサーが参加、そして後ろにLEDディスプレーのセット。ステージ下のファンの人は小さな子どもから中高年のご夫婦までいて、また応援グッズとしてはラミネートカードを持っている人が多く、ペンライトを振る人はほぼいなかったです。コールは一切なく、ファンの人たちは音楽に合わせて体を揺らしたり、振りコピをしたりしていました。あと、パパラッチみたいなカメラ撮影ね。
そして、6曲目。曲「BOOM！怪物星人」と同じく、開演前のSEで流れるとファンの方たちが振付けをダンスしていた、たぶんBOOM！怪物星人の人気曲だと思います。
BOOM！怪物星人 「SHA LA LA 蝦啦啦」 Music Video
メンバーの顔を明かす前にリリースされた曲の1つらしくてVideoにメンバーは登場しません。作詞作曲はBOOM！怪物星人メンバーで、曲はエレクトロニックなディスコ系。歌詞は、花火やタピオカミルクティー、韓国語のアニョハセヨなどを使いながら、ChatGPTによると”普通の男子は私のような子を好きにならないでしょう なんであなたは私を好きになったの？”的なことを歌っているみたいです。
7曲目は、ロック系のたぶん「飛」って曲。そして8曲目は、BOOM！怪物星人が初めて発表した1stシングルで、メンバーが作詞作曲したロック曲「人生就是一場遊戲 NO GAME , NO LIFE」。ここまでで、ほぼ1時間のパフォーマンス。しかも、無料のコンサート。さらにこのあと、メンバーのソロでのパフォーマンスが4曲あって、その後にゲストのRay 黃霆睿さんのパフォーマンス、そして再びBOOM！怪物星人が曲「BOOM！怪物星人」をパフォーマンス、最後に音楽プロデューサーのバンド・五月天の阿信さんが登壇してトーク･･･と午後4時過ぎまで2時間超えのステージ。ヤバ過ぎ、しかも会場の雰囲気はロシアやイスラエル、あとBreakingDownに見習ってほしいレベルの超ピースフル！朝10時にはステージ前だけだったファンの方が、最終的には広場を埋め尽くすくらいにまで集まっていました。
時刻は、午後4時。BOOM！怪物星人がコンサートを行う屋外の広場から、およそ100メートルほど離れた場所にあるライブスペース『Legacy Taipei』へアタクシ移動です。
午後4時は、台湾のガールズグループ、HUR+（ハー）とそのユニット・緋紅魅影 CRIMZON（クリムゾン）が9人体制となって初めて行うコンサートの開場時間です。会場のキャパシティはおよそ1200人で、午後4時過ぎ会場前はラーメン二郎並に長い列が作られていました。（※以下、HURとHUR+がごちゃ混ぜになっていますが、同じモノと考えて頂いて大丈夫だと思います。）
行列に並んでいたら、ファンの女性の方が『粉絲準備驚喜應援』と書かれたマフラータオル大のカードを配っています。Google翻訳によりますと”サプライズ応援”用のカードみたいで、2曲で掲げてください的なお願いが書かれてました。
台湾のガールズグループ・HUR（ハー：グループ名はハリケーン”HURRICANE”の略で、”Her”と同じ発音で女性のエンパワーメントも象徴しているんだって）は、台湾のガールズグループ・サバイバル番組『菱格世代 Dancing Diamond 52』に参加したメンバーによって2020年に結成。メンバーはウィキペディアによると、キャプテンの利善榛（Cindy・シンディー）さん、席子淇（Jennifer・ジェニファー）さん、連穎（Erin）さん、イギリス出身のC.Holly（シー・ホリー）さん、イギリスと台湾のハーフの裴頡（Jasmine・ジャスミン）さん、モンゴル出身の巴倫月（Sizi）さんの6人。共同生活などを経て昨年、2023年に新しいプロジェクト『HUR+』をスタートさせ、新メンバーとして台湾とベトナムのハーフで15歳の香蘭（Lan Lan）さん、インドネシア出身の林詩雅（Grace・グレース）さん、台湾とアメリカのハーフの佟凱玲（Shannon・シャノン）さんの3人を加えて『緋紅魅影 CRIMZON（クリムゾン）』を結成したそう。大学で留年をしたから、連穎（Erin）さん・巴倫月（Sizi）さん・香蘭（Lan Lan）さんの読み方が分かりませんし、グループの名前についても香港のニュース局『NOWnews今日新聞』は、HURから緋紅魅影 CRIMZONへ改名したと記事にしていて正確な情報が分かりませんでした。あと、赤ちゃんがどうやったらできるかも知りません！
音楽プロデューサーは、ガールズグループ・サバイバル番組『菱格世代 Dancing Diamond 52』で楽曲制作をしていた、斐立普 Felipe.Zさん。台湾のオンラインメディア『群眾觀點』のインタビューで、斐立普 Felipe.Zさんは、HURそして緋紅魅影 CRIMZONの曲について、このようなコメントをしています。
作品の編曲において、K-POPとの違いを意識しています。（中略）R&B、インディペンデント電子音楽、その他の素材を使用してHURの音楽を目立たせるようにします。
午後5時ジャスト、HUR+（ハー）とそのユニット・緋紅魅影 CRIMZON（クリムゾン）による9人体制で初のコンサート『2024 HUR+ 緋紅魅影音樂會』が幕を開けます。その1曲目は･･･。
緋紅魅影 CRIMZON 「BLOODY MARY COWBOY」
2023年に放送され、緋紅魅影 CRIMZONが参加した台湾のガールズグループ・リアリティ番組『未來少女』のために制作された曲。曲は、メンバーや音楽プロデューサー・斐立普 Felipe.Zさんに加えて、台湾のエレクトログループ・G5SHの呂尚霖 LuuXさんが制作に参加したカントリー＆ウエスタンに、トラップとエレクトロニックを加えた感じの曲。歌詞は英語がベースで、台湾国語と日本語が少し使われていて、”私はアツい”や”バッドガール”、”今夜””どこでパーティーはやってんの？”的なワードが出てきます。
この日のステージは、メンバーの後ろにLEDディスプレーがあるだけのシンプルなセット。
ステージ下のファンの人たちは、男女がほぼ半々。コールやペンライトは一切なく、ファンの人たちは音楽に合わせて体を揺らしたり、特に女性ファンは曲に合わせて一緒に歌ったりラップをかぶせたりしていました。
2曲目は、イギリスの童謡「Row, Row, Row Your Boat」をサンプリングした緋紅魅影 CRIMZONのヒップハウス調の曲「Baddie」。その後がMCだったのですが、MCでもファンの女の子の歓声が大きく、メンズの歓声はほぼ聞こえてきません。クロちゃんみたいな声の男性ファンが多くいた可能性も排除できませんが･･･。あと会場に、ガールズグループ・リアリティ番組『未來少女』で共演した「薄荷水晶 babyMINTが来てくれてるの！」的なトークに台湾の人たちがアガっていました！
緋紅魅影 CRIMZON x 薄荷水晶 babyMINT 「不然等等」
HUR+と緋紅魅影 CRIMZONのコンサートは、タイトなパフォーマンスの間にゆるふわなMCが配置されている印象。この日はMCが明けてから、ほぼノンストップで事前アナウンスされていた公演時間90分を使っていくのですが、曲もHUR名義の曲と緋紅魅影 CRIMZON名義の曲を織り交ぜ、そして曲ごとにパフォーマンスをするメンバーが入れ替わります。セットリストは、こんな感じ･･･。
3曲目、HURの7thシングル曲「TAKE OFF」。4曲目、緋紅魅影 CRIMZONの曲「IDFC」。5曲目、緋紅魅影 CRIMZONの「運命共同體」。6曲目、緋紅魅影 CRIMZONの「夜晚的你」。7曲目、緋紅魅影 CRIMZONの曲「不然等等」（ 薄荷水晶 babyMINTとコラボした↑の動画）。8曲目、緋紅魅影 CRIMZONの「緊呷」。9曲目、HURの4thシングル曲「Weirdo」。10曲目、HURの1stアルバム『REVELATION』収録の「Feel Like Rain」。
そして、11曲目。この日たぶん会場が一番盛り上がって、アタシの近くにいた女性のファンたちがメンバーのヴォーカルに合わせて一緒に歌っていた曲です。
HUR 《2022 hito流行音樂獎》
HURが2021年11月にリリースした1stアルバム『REVELATION』の収録曲「Poisonous」。編曲に、香港のメタルコア・バンドのSoul of Earsが参加した、エレクトロコア感やグランジ感もあると思う曲。台湾のドラマ『三隻小豬的逆襲』の主題歌だったらしいですよ。歌詞ではChatGPTによると、”私はあなたの体に宿る毒”的なことを歌っているみたいです。
その後、12曲目は緋紅魅影 CRIMZONの曲「BO$$Y」。13曲目、緋紅魅影 CRIMZONの「Boom Box」。14曲目は、HURの5thシングル「Don't You」。ここまでで時間は1時間15分ほどを経過、メンバーはステージを降り、そして会場は暗転をする。
すると、マジですぐに「アンコール」の声と手拍子があがります。そして会場のLEDディスプレーに、HURの誕生からHUR+への変化、そして緋紅魅影 CRIMZONとなっての挑戦の道程が映像で映し出されます。···たぶんですけど！”たぶん”の理由は、アタシが映像につけられた台湾語のナレーション&テロップが一切分からないバカだからー！それでも、映像が終わった後に登場したメンバーの数人はMCの途中で涙をこぼしていました。ニュースサービス『LINE TODAY』の記事に読みますと、「初めてのメンバー9人でのコンサートで、新しい姿でファンの人たちに会えて嬉しいです！」さらに「新しい作品のパフォーマンスを見てもらいたくて長い時間頑張ってきたし、それをファンの人たちがアツく受け止めてくれてマジで嬉しいです！」的なことをアンコールのMCで話していたみたいですね。
そんな、HUR+（ハー）とそのユニット・緋紅魅影 CRIMZON（クリムゾン）による初のコンサート『2024 HUR+ 緋紅魅影音樂會』。公演時間90分が間近に迫る最後の曲は･･･。
緋紅魅影 CRIMZON 「Touch the sky (ROYAL)」
緋紅魅影 CRIMZONの曲「Touch the sky (ROYAL)」。曲は、音楽プロデューサー・斐立普 Felipe.Zさん、台湾のエレクトログループ・G5SHの呂尚霖 LuuXさんに、TWICE「Hare Hare」やNiziU「Love & Like」とか曲にソングライターとして参加しているJJean@NUMBER Kさんが加わった共同制作。R&Bの曲で、歌詞では”下がっても必ず上がっていく 星まで走って行こうよ”的なことが歌われていて･･･、HURでデビューし数々の賞を受賞、その後紆余曲折があって、HUR+そして緋紅魅影 CRIMZONとなり、昨年2023年11月にはクラウドファンディングに挑みアジアデビューを掲げた自分たちのこれまでの道のりとその先に待っていて欲しい未来を重ねた感があるラストチューンだと思います。そしてHURと緋紅魅影 CRIMZONを通して、たぶん最大のヒット曲だと思う「Pain Killer」を演らないで、コンサートは幕を降ろした。
音楽性やパフォーマンス、また活動の歴史や過程、ビジュアルやファン層なども異なる台湾のガールズグループ、BOOM！怪物星人とHUR+&緋紅魅影 CRIMZON。ですが、台湾のポップミュージックグループのアーティストとファンの”人の素敵さ”は共通しているような気がアタシはしました。あと台湾のファンあるある早く言いたい的な共通点は･･･、待ち時間に地べたに座りがちね！
2024年4月14日は、台湾の南部の都市・高雄でボーイズグループのOzone（オゾン）が無料の屋外フェスに出演しています。どんなステージ上とステージ下だったのか？気になります。誰か実況とかしていないかしら、5ちゃんねるか『トゥルース・ソーシャル』で。