インドのBad Bitch 美学 -インド初の女性ヒップホップ・クルー-
人口、世界一。およそ14億もの人が暮らしているインド。2021年に初めて女性の数が男性を上回った、インド。一方で、”消えた女性たち”問題や名誉殺人など2024年の現在も、女性差別が根強く残るといわれるインド。そのインドに、イギリスの新聞『The Guardian』によりますと、国内&歴史上で初めてといわれる”女性だけのヒップホップ・コレクティブ”が活動しているそうです。名前は、Wild Wild Women!Wild Wild Womenが活動する背景には、『女性も男性と同じようにラップができることを証明し、そして自分たちのリリックでインド社会における女性の扱いに声をあげたい』という考えがあるからだそうですよ。そんなWild Wild Womenのデビュー曲が、2021年3月にリリースした、その名も「I Do It For Hip Hop」!
Wild Wild Women 「I Do It For Hip Hop」 Music Video
プロデュースはPOSHAKさんという方で、バウル音楽をサンプリングしたビートかしら。イギリスの新聞『The Guardian』によりますと、リリックはインドで最も使われているヒンディー語をはじめ、マラーティー語、タミル語、カンナダ語、さらに英語で書かれているため、『ラップにインドの雰囲気が感じられる』みたいです。リリックはChatGPTによりますと、”ガールズ・ギャングはダセェことはしない 現実に立ち向かうことを恐れない"”女性は毎日 懸命に戦っている””ウチらが変革をもたらす Wild Wild Womenは誰にも止められない”的な宣言ぽいことをラップしているみたいですよ。Videoはメンバーが撮影をしていて、アソコについては知りませんけど、スケジュールもラップもVideoもまだめちゃタイト感はないのですが、ちょいユルくて楽しいです。
Wild Wild Womenのメンバーは、インドの最大の都市・ムンバイの公園で行われたサイファーで出会い、”音楽への情熱”と”男性中心のヒップホップシーンにおける固定観念に挑み障壁を打破したい強い思い”からグループを2020年に結成したらしいです。メンバーは、8人。ラッパーの、HashtagPreeti さん、 Krantinaariさん、MC Mahilaさん、JQueenさん、Pratikaさん。ブレイクダンサーの、FlowRawさん、MGKさん。さらにグラフィティアーティストのGauri Dabholkarさん。インドのニュース・メディア『YourStory』によるとWild Wild Womenのラップのテーマは、女性のエンパワーメント、メンタルヘルス、そしてインドならではの”家父長制”的な考えを探るらしいです。
そして2ndシングルを、2022年2月にリリース!
Wild Wild Women 「Game Flip」 Official Music Video
曲名は「Game Flip」、インドのヒップホップ”シーンや業界をひっくり返す”的な意味かしら?プロデュースは、Wild Wild WomenのメンバーのPratikaさん。ビートはブレイクビーツとファンクをブレンドして、アフロビート感を足しているみたいです。Wild Wild Womenのビートは、ジジイが沸く、その一方でヌード写真集『Santa Fe』や『What a day!!』を見とけと女子からディスられる、ブーンバップ系です!リリックでは、”私たちの視界には男しかいないけど 恐れることはない””正しい意志が男のルールを破壊する””ラップは男性だけのものだった 女性がめちゃ努力してラップしたらチーム友達やギャル お母さんだって支持してくれる”的なことをラップしているっぽいです。フックでは、”固定観念や偏見を打ち破る これが時代のニーズ ウチらは力を与えるために生きる 信じるもののために立ち上がる これが女子力だよね?”的なインドのBad Bitchの美学をラップしていてアツいです!
そして2023年11月にリリースした3rdシングルでは、女性たちによる”Game Flip”の足かせの1つであるインドの”家父長制”に対してラップしているぽいです。
Wild Wild Women 「Wild Wild Women」 Official Music Video
プロデュースはムンバイを拠点にするDRJ Beatsさんで、ブラスにロックを足した感あるビート。詞はヒンディー語、マラーティー語、英語、タミル語、カンナダ語で書かれていて、リリックでは、”困難が立ちはだかっても 自分の道を信じて””間違っているように思えても 今は立ち止まらないで真実を描き続けて””あたしは障害の壊し屋””社会の汚れをウチらの竹箒で大掃除””家父長制からあなたを開放する!”的なことをラップしているっぽいです、ChatGPT調べですけど。Videoは、2023年8月にインドの東部の町・チェンナイで行われたWild Wild Womenのパフォーマンス映像を使っているらしいのですが、映像がEDの男子もビンビンに感じちゃうくらいマジでアツいです!
そして今年、2024年・・・。新曲が、出ました!
Wild Wild Women 「Mulinchi Toli ft. Saniya MQ, Mahi Ghane & D.Raashi」 Official Music Video
ビートは、デビュー曲「I Do It For Hip Hop」を手掛けたPOSHAKさん。Videoもデビュー曲と同じメンバーのPratikaさんが撮っているぽいです。でも違うのは、曲にフィーチャリングのラッパーがいること。しかも・・・、現在17歳のヒジャブを身に着けたSaniya MQさん(0:57~)、インドの被差別民(カースト)である”ダリト”のMahi Ghaneさん(1:36~)、14歳でラップを始めたD.Raashiさん(2:24~)の3人って、ヤバくない!?リリックは公表されていないのですが、曲名の「Mulinchi Toli」は”女性のグループ”や”女性の集団”って意味みたいです。新たな仲間・戦い方・問題を見つけた感じでしょうか。
グループの目下の課題は、MC Lit、MC Disha、Reble、Rudy Mukta、そしてPhoを含むごく少数の女性ラッパーしかいないインドのヒップホップ・シーンで一定の地位を確立することらしいです。でも、Wild Wild Womenはレコード会社との契約がないため、”一括で買ったベンツ”クラスのお金はなし。自分たちの曲を録音するために、お金は現在もみんなで出し合っているそうですよ。Wild Wild Womenは、そうして完成したラップ・ミュージックをインドの女性たちに送るだけではなく、ニュース・メディア『YourStory』によると、インドの農村部に500枚の生理用ナプキンを配布するのにも協力したりしているそうです。(←インドのナプキン事情については映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』で少し知れるみたいです。)
インドで初らしい女性だけのヒップホップ・コレクティブ、Wild Wild Womenの今後の活動、あとインド社会のこれからの変化が気になりますね。最新の情報を、全裸待機です。それかまだ寒いから、センターにがっつり切れ込みが入ったアメリカ国旗柄の水着を着て!事故物件の部屋でひとりきりで。