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ブータンとラップミュージック

日本から西へおよそ4500キロ。日本からタイやシンガポールを経由して、飛行機でおよそ11時間。インドと中国、2つ大国に挟まれたヒマラヤ山脈の東に位置する山岳国家、ブータン。正式には、ブータン王国。外務省によると、面積は九州とほぼ同じ大きさの約3.8万平方キロメートルで、人口はおよそ80万人。ブータンは国民の6割が農業に従事し、生活はチベット仏教が中心で、鳥や魚をはじめ虫など動物を殺すのを好まないなどチベット仏教の教えにしたがって生活しているそうですよ。またアタシは受信料を払っていませんが、NHKによるとブータンは、経済成長(GDP)よりも、健康や環境など国民が幸せと感じる価値基準に重点を置く『GNH=国民総幸福』という独自のモノサシで国を統治していて、医療費や教育費は無料。一方で平均年収は、20万円程度。また伝統文化を重んじて、公的な場所では民族衣装の着用を義務づけているそうです。そんなブータンは、素朴な国民性、豊かな自然、歴史ある寺院などが海外の旅行者から人気なんだって。

そんなブータンは1907年、イギリスの支援を受けて建国。でもその後、政府は、ブータン固有の社会&文化を守り、また中国やインドといった大きな影響力のある隣国から自分たちのアイデンティティを守るため、1970年代までほぼ”鎖国”政策をとっていたそう。海外からの旅行者を入れたのも1974年から。国連に加盟したのは、1971年で、1980年代に入ってから近隣諸国を中心に対外関係を拡大していったみたいです。
国内の状況はといいますと、早稲田大学の論文を大学を留年したアタシが借りパクしますと・・・、1990年代までメディアは国営の新聞とラジオが中心。テレビとインターネットが一般に解禁されたのは、1999年。そして地上波放送を受信できない地域でケーブルテレビの普及が進み、このケーブルテレビを通じて外国の放送が視聴できるようになり世界中のコンテンツがブータンに一気に入ってきたみたいですよ。

それからおよそ20年・・・。

ブータンで最初の日刊新聞らしい『BHUTAN TODAY』の記事によると・・・、2017年にブータンで初めてラップ・ミュージックのアルバムがリリースされたそうです!それが、ラッパーのKezang Dorji(ケザン・ドルジ)さんの作品『The KUZUZANGPO Album』。

『The KUZUZANGPO Album』

アルバムは、USBメモリーでリリースされたみたいで、Kezang Dorjiさんが2011~17年までに発表したラップ16曲のコンピレーションだったんですって。そんなブータンで初めてラップ作品を発表したラッパー・Kezang Dorjiさんの、最初期である2011年にレックされたラップ曲&Videoが公式チャンネルで公開されていました!

kezang Wangdi ft.Kezang Dorji 「Che Gi Denley」

映像は、Kezang Dorjiさんがブータン東部の町・タシガンにある国内唯一の大学であるシェルブツェ・カレッジに在学中の2011年に発表したMVらしいです。2:05~、ラップが入ります!Kezang Dorjiさんは、USのラッパー・Eminemさん「Lose Yourself」を聞いてラップを始めたらしいですよ。

一方で、ブータン最初の女性ラッパーは、Kezang DorjiさんのFacebookによりますと、Karma Euden Norbuさん。デビュー曲は、2013年に13歳というバブみある年齢でSoundCloudに発表した、「Acapella」ですって!

動くKarma Euden Norbuさんは、こちら。

Karma Euden Norbu 「Ipchi Ipchi」 (B-Pop Show 2018 performance)

そんな2000年以降に始まったブータンのラップ・シーンですが・・・。Karma Euden Norbuさんが契約しているっぽいレコード会社『M-studio』のブログに、こんな一文が書かれています。

M-studioの経営者であり音楽ディレクターであるChoeying Jatshoは、2002年におそらくブータンで最初のラップ「Bhutanese Gangsta」を制作しました

M-STUDIO BHUTAN『RAP Revolution in Bhutan』

ブータンのラップの始まりは「Bhutanese Gangsta」っていう、ギャングスタ・ラップぽいね。まじ聞きてー!どこで聞けるんだろう?テレグラムかな、それともイタコの口寄せかな。