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落下羊日和 7

Fallsheeps 1st Mini Album "Aid"を振り返るインタビュー Vol.5
Ba / Cho よしか

(上田)「空音を鳴らして」はどうかな?

(よしか)空音ってライブでやるとみんな盛り上がってくれる曲ですよね。作った当初はみんなが「イェーイ」ってなると思ってなくて、曲が成長したなって思います。やってるほうは元から「イェーイ」ってかんじですが。この曲は演奏してると「強気」になりますよね(笑)。「オラァ!」って気持ちになります。私の表情には出ないと思いますが、他の人に置き換えると「オラァ!」ってなってる状態ですね(笑)。この曲ライブでやっている時に毎回楽しみにしている部分があって、淳太君がイントロでめっちゃキモい動きするんですよ。それが好きで。ライブの度に今日はどんなかんじで来るのかなって毎回チェックしてます。

プルプルしてるやつね。

足グリグリしてるのとか、めっちゃ面白いし、キモくて好きです(笑)。

個人的には空音のイントロのフレーズは、淳太と俺のバトルシーンだと思ってて、どちらがカッコよく弾けるか大会みたいなのが開催されてるんだよね。サポートという立場だけど、ブチ上がって自分を解放できるポイントでもある(笑)。俺もメタラーのスイッチが入って、あの時だけ体勢を低く構えるんだけど、対して淳太は「あ、プルプルしてくるんだ」って(笑)。それが君のレスポンスなのねっていう。

普段は淳太君のほうをみていたので、上田さんがそうなっていたの知らなかったです(笑)。そういう熱いかんじだったんですね。

あとこの曲はサビのコーラスもかっこいいよね。

この曲って一昔前のアニメの主題歌っぽいサビですよね(笑)。2000年代のギラついたかんじが良いんですよね。ちなみにこの曲の色のイメージは「白と黒」です。白は真っ白じゃなくて、藁半紙みたいなざらついた白のイメージです。黒は...墨汁みたいな... 藁半紙に墨汁が垂れてるみたいな...かんじ...(笑)。

じゃあラストナンバーの「メノウ」。

メノウは今まで作ってきた曲のなかで一番好きです。もともとスローな曲が好きで、あ、でもLagのほうが好きかも。Lagの次に好きな曲です!(笑)基本暗い曲が好きなので。

1サビ終わりから2番の歌が入るまでのベースラインがカッコいいなって思ってて、これはよしかがアレンジしたの?

そうですね。そこは自分で考えました。基本、曲作り全体としては、淳太君が持ってきたデモのフレーズを最初は踏襲して、あとから「こうした方がいいかなポイント」に対して、自分なりにアプローチしていくかんじです。それと、メノウは演奏するのも、聴くのも好きです。逆にいうと速い曲が苦手ですね。聴いてる時も疲れちゃうし、やっていても疲れちゃうし、多分...自分の心拍数と合っていない(笑)。メノウは春をイメージした曲っていうのもあって、木漏れ日とか温かいかんじが自分と合っています。

というと曲の色は?

春の風のイメージなんで「薄いベージュがかかったピンク」です!

なるほど。続いて、今回惜しくも収録されなかったLagはどう?

私が曲を作る際に「こういうイメージで」って言ったのが、パリの小高い丘の上で、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌを聴きながら死にたい、っていうイメージていう話をして出来た曲です。

前回のItsuki Kunのインタビューで話してた「ヴェネチア」は全く関係なかったんだね(笑)。

そうですね。ヴェネチアに関しては、私はなにも知らないです(笑)。パリの街並みと夕陽を観ながら死にたい、ってイメージです。演奏してて楽しいってかんじの曲ではないんですけど、心が落ち着く曲ですね。自分の肌に合っているなって。

Lagはまたライブでやりたいですか?

ぜひやりたいです!前にやってた時と別のアレンジを淳太君が練ってて、それも現代風でいいかんじですが、私は以前やっていたバージョンも好きですね。

じゃあ将来的に2パターンでやれたらいいね。

そうですね!以前のアレンジだと恥ずかしい部分はあるんですけど、サビ以外の空気が海に漂っている感があっていいなと。これも最初コーラスから入るので、例によって誤魔化しが効かないっていう(笑)。Fallsheepsの曲はLagもそうですけど、大事な部分が一番最初にくる曲が多いですね。

じゃあ最後に次回作でやりたいことや意気込みをお願いします。

私は曲を書く役割じゃないので、展望とかはあまり見えてないんですけど、歌詞を書いてみてもいいかなって、ちょっと思ってます。うん、書けるかも。むしろ書かなきゃダメかもって気持ちなんですよね。それはバンドメンバーとしての使命感というよりは、1人の存在としてという意味で。ちょっと暗い話になるんですけど、私の性格的に神経質なところや、生きづらいことが多くて...。世間からしたら少数派だし、社会的には弱者かもしれないし。だから生きることに対しても特に執着がないというか。でも、バイト先の人が文学青年なんですけど、その人も同じような悩みを抱えてて、その人に「よしかさんみたいな人がいるから元気になれる」って言われて、あ、そういうこともあるんだ、って思ったんですよね。私が存在するっていうだけで、似ている感覚を持っている人たちはお互いを認識し合うことで元気になれるというか。

たしかに同じ悩みや気質の人がいるだけで、なんとか生きていけるっていうのはあるよね。

そのことをバイト先の人に言われて、自分の考え方が変わりました。私みたいに生きづらさを抱える人やもっと苦しい人はたくさんいると思ってて、そういう人たちを理解しあったり、慰めあったりするわけじゃないんですけど、お互いを認識し合えば世界の片隅で寄り添いあえる気がします。そういう感覚があって、自分の存在を示したいわけじゃないんですけど、歌詞を書くことが、その「認識」に繋がって、知ってもらえればどこかで救われる人がいるかなと。

めちゃくちゃ良いね... 貴重な話をありがとう。

自分の弱い部分って人に理解されると思ってないので、だからそのことを話したり、見せたりすることは普段しないんですけど、歌詞だったら自分のことを表現できるかもしれないって思ってます。受け取る側も歌詞だったら何か感じてくれる可能性もあるし、自分もリスナーとしてそういう経験をしたことがあるので。

レーベルの立場というか、一歩引いたところでみている人間としては、次の作品は曲のなかで、いつきやよしかのエッセンスをもっと取り入れて幅を出したいと思ってて、そのなかでよしかが歌詞を書いて、淳太が曲を作るっていうアプローチはぜひやりたいね。

私は淳太君といつきと違うタイプの人間なので、視点や感じ方も違うから、そういう部分は出せればなと思ったり...思わなかったり...というかんじです(笑)。

(vol.6へ続く)


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