「優先順位」

　　
　今日も仕事が始まる…。いつも出社は始業時間ギリギリだ…。だって、昨日退社したの終電間際ですよ？走って終電やっと間に合ったんだから…。
もう、寝る時間確保しか無いんですよ…。

　あー今日も無理しまくらないと…「自分の意思？」んなもん、五の次くらいでしょ。だってそうしないと仕事なんか続けてらんないから。

　「あっすみません…。」
　危ない。人に当たるとこだった。えっ…？あれあの人白い杖だな。あれ、「視覚障害者」って人だよね？
あっ危ない。ここ歩道ない場所に出るけど…あの人…。
　「あっすみません！！もしかしたらここ歩道じゃ無くなるんで良かったら目的地の道に繋がる所まで一緒に行きませんか？」

　あー…良かった。あの人きちんと点字ブロックまで行けた〜。あー良かった。危なかったよね。　
　やっやばい電車！！
あー…遅刻だわ…。ギリギリだったしなぁ。
あぁ配属されたばかりで初めてやっちゃったよ〜。なんて言おう…。
　
　「すみません…。」
「えっ？道を案内して遅れた？君、優先順位はなんなの？道案内？仕事ですよね？皆んなそうやって働いているんですよ。」

　「蛇」は何処だ…？！

狡猾な女より。