Kindleでまた本を読むようになるのか

『砂の惑星』を読みたくなったのとAmazonのセールの時期が重なったので、Kindle Paperwhiteを試してみた。

そもそも、本はもうほとんど読まない。

まず、読むべき本はすでに読んだと思っている。

そして、もう人生の半分が過ぎているし、もう「引退」(って何だ?という気はするがどう表現してよいのかわからない)しているため、本を読んで「自分が」何かを得ることに意味を感じなくなった(若い人はたくさん読んでね)。若い頃とはちがって、本を読むことは良い(偉い、格好良い、役立つ)という意識もなくなった。

そうすると、読むとするなら純粋な楽しみだけで読むので、他に手軽な娯楽がある以上は、読書という選択はなかなかない。

また、言葉の力の強い人たちのゲームであるこの状況に関わりたくないという気持ちもある。(にもかかわらず作文をするのは矛盾なのだが)

そして、老眼。

まず45歳前後でピントを合わせるスピードが落ちた。まるで安物のズームレンズのようだ。対象物と一定の距離を保っているなら問題ないが、手元の書類を見てまた少し離れたディスプレイを見て、といった作業はやりにくくなった。(職場でそんな状況だとかなり「おじさん」っぽくて嫌なので、その前に引退できてよかった…。)

その後、これまで使ってきた近視用メガネをかけた状態では近くのものにピントが合わなくなった。手の指の爪を切るときや、細かい文字を読むときは眼鏡を外したくなる。

そういった理由があって、読むにしても本を読む速度は著しく落ちた。集中してまとまった時間をとって読むことはないので、本はカバンの中に入れたり、枕元に置いたりして、一日数ページ。文庫本を1年かけて読むくらいのペース。そうすると本はかなり傷む。カバーは外して、表紙はヨレヨレ。きれいに保管していても仕方ない(どうせ持ち主が死んだらゴミ)ので、もう気にしないくなったけど…。図書館は、本の傷みは別としても、貸出延長し続けなければならないので利用しにくい。

理由をあげつらうのはもういいか。

純粋な楽しみとして読書を選ぶかというと、楽しいだけなら楽しいことは他にもあるので、かなり怪しいと思っている。

けれども、この歳になると、「試すならこれが最後の機会」(こういうの増えるんだろうな…)だと思うので、試してみよう。そんなところ。

ちょっと使った感想

  • 仰向け片手持ちでページ捲りするのは厳しい。他の姿勢なら特に不便はない。

  • UIは動作がもっさり。デザインもわかりにくい。あまり良くない。

  • 普通に読書するときのページ捲りは快適。つまり、読書を始めてしまえば余計なUIには触れないので快適。

  • 読みやすさなど

  • 小説を読むには良さそう。紙の本と遜色ない。というか、フォントサイズ、行間間隔等調整ができるので紙より読みやすいかも。iPhoneよりは確実に良い。

  • マンガは1ページ1画面表示にすると小さく感じるので微妙か。特に文字の多いもの、コマ割りの細かいものは拡大したくなる。

  • 子供向けのイラストの多い本は微妙か。

  • マニュアル本のようにページをあちこち捲るものは向かない気がする。

  • テキストでサーチしてジャンプできるのは小説で使うとおもしろい。