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Starfield ゲームならではの表現(クリア後感想)

メインストーリーを1回クリアしたのでその感想です。詳細には触れませんが、一応「ネタバレあり」としておきます。

Starfieldのメインストーリーのベースには、いわゆる「並行世界」とか「世界線」の世界観があります。説明は省略しますが、これは『シュタインズゲート』で一般的になったと言われるもので(諸説あり)、目新しいものではありません。何かひと工夫がない限りは凡百のSFに堕してしまうでしょう。

しかし、Starfieldはゲームならではの方法でこの世界観を上手く表現したと思いました。

Starfieldのメインストーリーをクリアした今の私は、「ニューゲーム(プラス)を始めて(別の世界線に渡って)別のストーリーラインを経験したい」という気持ちと、「今のこの世界線で、もっと時間を過ごしたい」という気持ちの間で揺れているのです。

もし、これが何の躊躇もなく「よし、次はニューゲーム(プラス)だ」となったなら、どんなに素晴らしいストーリーでも、ゲームとしては平凡だと評価せざるを得ません。

なぜなら、小説や映画、他のどんなメディアにもないゲームならではの表現になっていないからです。ゲームとして高く評価するためには、プレイヤーの経験が、小説を読んだり映画を見たりすることとは異なるものとなっていなければなりません。

人間は世界線を渡り歩くどうなってしまうのか。世界線を渡り歩く人間の行動が皆どこか人間として壊れているのは何故なのか。(例えば、ある世界線で永遠の愛を誓った相手を、別の世界線であっさり裏切ったりする。)

その理由を、Starfieldはプレイヤーに「ほらね?」と実体験として理解させてくれます。(小説や映画の場合、鑑賞者は世界線を渡り歩く主人公に感情移入しつつも第三者的に見ていることしかできません。)

この点において、私はStarfieldを「素晴らしいゲーム(表現)」だと評価します。

補足)

ニューゲーム(プラス)の仕様(引き継ぎ可能な項目)が周回プレイ(つまり世界線を何度も渡り歩く)向きではないと評されていますが、それは上記のような解釈からは当然の帰結となるでしょう。この仕様のため、多くのプレイヤーは、何度か周回した後に満足して、どこかの世界線で落ち着いて暮らすことになると思われます。そこも、ストーリーと絡めた良いデザインになっています。