家族になろうよ 4

 「…はぁ」
 今日700回目のため息をつきながら夕食の買い出しに向かう。ちなみに空は飛べるが基本は愛車のツヅキ SWN-1(にとり製作)で人里まで降りていく。燃料は太陽光で、基本的にガス欠はない。またメーターは何故か300km/hまであるが、流石に出したことはない。
 道中も考えることというか思い出すことは一つ。レミリアとの『合体』だ。長年抱いていた願いがようやく叶った。しかも形だけだったが両者ともに身籠った。経験としては自身の一生の中でも最上級のイベントだろう。そして彼女は願ってしまうようになる。

 永遠に添い遂げたいと。
 しかしそれはレミリアから否定された。

 かつて咲夜はレミリアによって眷属化して欲しいと頼み込んだことがあった。不老不死の力が欲しいわけではないし、死ぬのが怖いわけではない。だた、愛する者の隣にずっと居たい。それだけだった。
 しかし結果は断られた。理由としては「人間として生きて欲しい」そうお願いされた。幻想郷で人間と分類され、かつ複数の他種との繋がりを持つ者は少ない。恐らくは霊夢・魔理沙・阿求・咲夜くらいだ。こと紅魔館には咲夜以外は全て化け物、寿命も長いというか基本死なない。パチュリーに至っては不老不死だし。そんな中なので、レミリアは彼女に【人間として生き、人間として死んでほしい】とかつて告げた。彼女も最初はそのつもりだったが、先日の一件で完全に考えが変わってしまった。
 やはり生きたい。それが永劫でも構わない。

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