東方Project二次創作作品 家族になろうよ 6
「どういうこと?」
「捨虫・捨食の魔法は莫大な魔力を使用するの。それは魔力だけに反応する魔法だから魔力を持たない人では意味がないの。しかも貴女が時止めに使うのは霊力だからそもそも捨虫・捨食に貴女が対応してないことになる」
「どうしても?」
「使ったところで魔法に飲まれて何もできずに死ぬわ」
「…そう」
きつく握られていた拳がフッと解け、咲夜はしばらく床を見つめていた。いや、見てはいるが脳内で処理できているかは微妙なところだ。
アリスに罪悪感が付きまとう。だが自身の言葉に嘘はなく、また例外も存在しない。だからこそありのままを伝えた。これも全て咲夜のためだと自身の心に戒める。
「もう少しお茶でも飲んでいく?」
「ありがとう…でも夕食の準備があるから。それと、今日のことは他言無用で」
「…ええ、分かったわ」
明らかに力なく咲夜は帰っていった。しかし真実を教えなければならなかった。捨虫・捨食の魔法はいわば劇薬、一つ間違えばあっさりと死ぬ。魔法使いが行うのもノーリスクではない。
何より他言無用ということはレミリアはまだ咲夜の今の気持ちを知らないのだろう。
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