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ダイス界の敵のサイズ

はじめに

 こんにちは、インコマンです。

 今回はがっつり検証の記事。題して「ダイス界の敵のサイズ」です。

 ランダムダイスでは、様々な敵が登場します。通常雑魚、高速雑魚、中ボス、スネーク、サイレンス、ナイト、マジシャン、レオン、IIIIIIIIIII、バシリスク……。他にも、転移モンスター(全6種)、転移モンスター(SP)、バシリスクが召喚するチビボス各種が存在するのですが、今回はバシリスクまでの10種の敵について、その当たり判定を調べました。

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当たり判定とは

 そもそも、当たり判定とは何を指すのでしょうか。

 ランダムダイスでは、敵にダメージを与える手段として「実弾攻撃」と「非実弾攻撃」が存在します。実弾攻撃は、ダイスから直接発射される弾による攻撃で、敵の中心に到達することでダメージを与えます。

 対して非実弾ダメージは非常に多彩で、太陽のスプラッシュダメージや、電気改の感電ダメージ、地雷や棘などの設置物によるダメージやスターによる流星のダメージ等々、ダイスによって特色様々です。

 今、例を挙げた中では電気改以外の非実弾ダメージは、敵の位置やその関係(距離)が与えるダメージに影響があります。例えば太陽のスプラッシュダメージは実弾ダメージを与えている敵の近くに敵がいればスプラッシュダメージを与えることができますし、地雷や棘などは敵が特定の位置に存在する場合にダメージを与えることができ、スターの流星は落下地点の近くに敵が存在する場合にダメージを与えることができます。

 そして今回検証に使用したダイスが、原子のダイスです。

 原子のダイスは、出目の数だけの原子エフェクトがダイスの周囲を公転し、それが敵に当たった際に割合ダメージを与えますが、この「敵に当たる」という判定は、敵の見た目通りではないのです。

 どういうことかというと、例えばマジシャン。

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 浄化の能力を失い能力が2個になったのにもかかわらず、いまだに3個の眼を手放さない図太い精神の持ち主であるマジシャンですが、見た目にはおおよそ菱形の形状をしています。

 では、原子の割合ダメージは、この菱形に原子エフェクトが重なることで発生するのでしょうか?

 いいえ、違います。

 注意深く観察していると分かることですが、敵の描画に原子エフェクトが重ならない場合でも、割合ダメージを与えていることがあるのです。

 それはつまり、敵の実際の形状・大きさは描画の通りではないということを示しています。

 この、敵の実際の形状・大きさのことを、今回「当たり判定」として扱います。

 さて、原子のダイスを検証に使用した理由ですが、それは原子のダイスが二次元的な当たり判定を検証するのに適したダイスであるためです。

 他の当たり判定が関係する非実弾ダメージを発生させるダイスは、敵が角を通過するタイミングなどの特殊な瞬間を除いて、ほとんどが一次元的な当たり判定しか関係しません。分かりやすく言うと、前後関係とその距離以外は関係が無く、従ってそこから二次元的な当たり判定の形状を推定することはできないのです。

 原子のダイスの原子エフェクトは、何しろ回転しているため、敵の上方向から右から斜めから、様々な方向から接近し、あるいは離れ、時にはすれ違い、微妙な二次元的な当たり判定を推定することに適しているのです。

 とはいえ、原子のダイスの原子エフェクトそれ自体の当たり判定がどのようになっているかは不明で、今回の検証ではこれを実描画そのままの判定として扱っているため、検証で得られた敵の当たり判定も、この原子エフェクト自体の当たり判定の誤差を含みうるものであることはご留意ください(実用的な問題が発生するものではないのでご安心ください)。

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推定方法

 今回求めるべきものは、次の2つです。

・当たり判定の形状
・当たり判定の大きさ

 当たり判定の形状ですが、これはある程度候補を絞る必要があります。

 いくら原子のダイスが二次元的な形状を調べるのに適しているといっても限界はあり、例えばぐにゃぐにゃした奇妙な形状の当たり判定であることは、否定しきれない場合があります。

 しかし、111%のメンバーはおそらく全員が人類であり、我々と同じような思考回路の持ち主であることが推測されるため、当たり判定の形状は、ぐにゃぐにゃした奇妙な形状という可能性は低く、ある程度合理的な形状であることが予想されます。

 というわけで、形状は以下の候補を中心に、矛盾のないものを探すことにしました。

【当たり判定形状候補】
・実描画+マージン(見た目よりやや大きいだけ)
・円形
・四角形

 形状の特定をしながら、大きさも調べていきます。

 調べ方は単純で、へくさん拉致して協力に参加させ、そのプレイ風景を録画します。へくさんいつもありがとう

 ポイントとしては、まず録画側がホストを持つことです。ゲスト側だと、ダメージ表示などにラグが多発するため、原子の割合ダメージの入るタイミングに大きな誤差が生じるなど、適していません。

 また今回は、原子のレベルを1固定でウェーブを進めていきました。敵に対する原子エフェクトの相対的な速度が可能な限り遅くすることで、より正確な検証を可能にしました。

 さらにダメ押しとして、沈黙のダイスも適宜使用し、さらに検証を行いやすくしたわけです。

 そして、録画をコマ送りで確認しながら、原子エフェクトと敵の位置関係の変化を追い、割合ダメージが入る直前のコマと、割合ダメージが入った直後のコマをピックアップします。

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 例えばこれは、マジシャンに割合ダメージを与えられない位置の原子エフェクトに、原子エフェクトと同サイズの青い丸をマーキングした画像になります。

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 そしてこちらは、割合ダメージを与えた瞬間の原子エフェクト位置にピンクのマーキングをした画像です。

 敵の位置からの相対的なマーキング位置を集めていくと……、

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 こんな風に、青丸とピンクの丸の位置関係が浮かび上がってきます。

 青い十字は敵とトラックとの位置関係から割り出した敵の中心点のマーキングです。

 青いマーキングは、当たり判定に重なっておらず、ピンクのマーキングは当たり判定に重なっているのですから、当たり判定の形状・大きさは「青いマーキング全てに重ならず、含まない」という条件と「ピンクのマーキング全てに重なるか、含む」という条件を両方満たしている必要があります。

 その条件から、当たり判定の形状と大きさが1つに絞り込めるまで、サンプルを取り続けるわけです。

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 例えばこんな感じです。全ての青マーキングと重なったり含んだりすることなく、全てのピンクマーキングと重なるように円形を描くことができました。

 実際には、もっと青、ピンクマーキングのサンプルを増やして正確性の高い当たり判定を探っていくわけですが、おおむねこういう感じで当たり判定を割り出していきました。

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ダイス界の敵のサイズは

 さて、小難しい話はここまでにして、検証結果です。

 どの敵も、当たり判定は円形で、しかしそれぞれサイズは異なっている、という結果になりました。

 まずは、通常雑魚高速雑魚中ボスの当たり判定を見ていきましょう。

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 敵の背景の青い目盛りは、ランダムダイスにおける距離を基準に置いたものです。ランダムダイスにおける「距離」については、前回の記事参照です。

 というわけで、通常雑魚、高速雑魚、中ボスのサイズは以上のようになっていました。

 中ボスのサイズがやや距離1に届かないくらいですね。高速雑魚が見た目ほど小さくないのが意外な結果かもしれません。

 次は、ボスの当たり判定を見ていきましょう。

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 このようになっています。どのボスも、直径は距離1を超えています

 ボスの中でも一番大きいのはレオンで、次いでIIIIIIIIIIIが大きいです。意外なことにバシリスクは見た目ほど大きくはなく、当たり判定は実描画よりもかなり小さめです。ボスの中で最も小さい当たり判定を持つのはサイレンスでした。

 以下、今回検証した10体の敵の当たり判定の直径です。

【当たり判定直径(距離)】
通常雑魚:0.75
高速雑魚:0.68
中ボス:0.98
スネーク:1.11
サイレンス:1.10
ナイト:1.13
マジシャン:1.12
レオン:1.27
IIIIIIIIIII:1.16
バシリスク:1.12

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考察:原子のダイス

 さて、敵の当たり判定が割り出せたところで、対戦のフィールド協力のフィールドにあてはめ、敵に対する原子の有効性を見ていきましょう。

 まずは、今回調べた中で最小の敵……高速雑魚です。

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 対戦のフィールドをスタートからゴールまで移動する高速雑魚は、上の画像の緑色の領域を、当たり判定を通過させながら移動します。

 ご覧の通り、外周の原子の割合ダメージは余裕で与えることができますが、1つ内側の原子の割合ダメージは全然当たりそうにありません

 これが、ひとつサイズの大きい通常雑魚ならどうなるのでしょうか。

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 1つ内周の原子の割合ダメージが、若干入るようになりました。効率的ではないにしろ、内周の原子が通常雑魚に対しても有効であることの説明になります。

 協力では、どのような位置関係になるのでしょうか。

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 対戦では、1つ内周の原子の割合ダメージも前方向には若干入る通常雑魚でしたが、協力では外周の原子しか割合ダメージを与えることができません

 協力では、どれくらい大きい当たり判定を持つ敵なら内周の原子の割合ダメージを与えることができるのでしょうか。

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 ボスの中では最小、サイレンスです。画像だと分かりにくいですが、ギリギリ1つ内周の原子がサイレンスの当たり判定に重なります

 つまり、協力で、1つ内周の原子は、通常雑魚、高速雑魚、中ボスに対しては横方向で割合ダメージを与えることはできませんが、ボス7種に対しては横方向で割合ダメージを与えることができるということです。

 ですが、上の画像を見ていただくと分かるように、サイレンスは、内周の原子の前方向の割合ダメージは受けることがありません

 では、協力では合流後の敵に対して、内周の原子の割合ダメージを与えることはできないのでしょうか。

 サイレンスはボスの中でも最小です。次は、ボスの中で2番目の大きさを誇るIIIIIIIIIIIで見てみましょう。

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 例のごとく画像だと分かりにくいですが、丁度ぴったりすれ違う距離感です。実際のプレイ中の画像を見てみましょう。

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 当たり判定のギリギリ範囲外を、原子エフェクトが通過する様子が観察されます。

 ボスの中で2番目の大きさのIIIIIIIIIIIでは、内周の原子の前方向の割合ダメージを受けないことが分かりました。

 では、最大の当たり判定を誇るレオンではどうでしょうか。

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 はい、ご覧の通りレオンは横方向も前方向も、1つ内周の原子の割合ダメージを受けます

 協力で原子を使用する際は、外周よりも優先度は下がるとはいえ、内周の原子を疎かにしてはいけないということの説明になるかと思います。

 では、レオンは対戦ではどのような位置関係になるのでしょうか。

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 内周の原子の割合攻撃は、前方向には通常雑魚以上の大きさの敵には与えられるため、当然レオンにも与えられます。

 しかし、画像上では横方向でも内周の原子の割合ダメージを受けうる位置関係に見えます。

 こちらの検証については、クルーメンバーのれっかさん決定的瞬間を録画してくださりました。

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 内周の原子が、能力:咆哮直後のレオンに対し割合ダメージ971を与えている瞬間が見事捉えられています。

 咆哮発動直前にも、実際に割合ダメージが入ったときとほぼ同じ位置関係に原子エフェクトが通過していますが、このときは割合ダメージは入っていません。

 それぞれの瞬間を、解析してみました。

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 咆哮直前に原子エフェクトがレオンに最近接した際には、微妙に当たり判定外を原子エフェクトが通過しています。

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 咆哮後は、レオンと原子のダイスが丁度横方向に一直線上に並び、当たり判定と原子エフェクト公転ルートが重なり、そのタイミングで原子エフェクトが当たり判定上を通過しています。

 このことにより、対戦では、内周の原子の横方向の割合ダメージは、レオンに対してのみ発生しうることが分かりました。れっかさんありがとう

 以上の結果を纏めて、内周の原子の割合ダメージが当たるか当たらないかを表にしてみました。

【内周の原子の割合ダメージを与えられる敵】
・対戦
 横方向:レオンのみ
 前方向:高速雑魚以外
・協力
 横方向:ボス全て
 前方向:レオンのみ

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おわりに

 以上、敵の当たり判定の検証と、考察でした。

 今回の記事は、対戦や協力で原子を使う機会のあるプレイヤーにとっては、考察の内容も含め、意義深いものとなったのではないでしょうか。

 ダイスの合成ロジックや、優先配置などに、ご活用いただけると幸いです。

 今後、敵の当たり判定が重要な意味を持つダイスやスキン等が着目された際に、今回の検証結果が活かされることを期待して、筆を置かせていただきます。

 ではでは。

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