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印鑑の「印相体」ってどんな書体?

<目次>
1.印相体は易占的な要素を持った書体
2.印鑑に使われる様々な書体
3.書体は印鑑の使い方によって決めましょう

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1.印相体は易占的な要素を持った書体


印相体は「篆書体(てんしょたい)」から派生した書体で、大正から昭和の初期に考え出されたと推測されています。

印相体の大きな特徴は、太く湾曲した文字が印面の枠へ接していることです。

印面の中心から外側へ八方に流れるような字形をし、別名「八方篆書体(はっぽうてんしょたい)」「吉相体(きっそうたい)」と呼ばれることもありますが、どうしてこのような字の形をしているのでしょうか? 

それは、所持する印鑑が後天的に運勢を左右すると考え、易占的な要素を取り入れているからです。


印鑑の印面部分を占いの八方位に見立て、その方角の枠に文字の端をつけることで、運勢の吉凶を表します。

例えば枠と文字の接点がどの方角に接しているかや、逆に接していないかなどです。

また姓名判断などの画数や、四柱推命など生年月日の運気と方位などを意識して印影を作るのが一般的とされています。


こういった理由から、印相体は開運用の印鑑書体として好まれることが多くなっています。

また、書体のベースとしては篆書体が基礎となっている字形のため、他の書体に比べて可読性が低く(読みずらく)、それが偽造や盗難防止にも効果が高いと言われています。

実際その読みずらい文字の特性を生かし、実印や銀行印など重要度の高いハンコの書体として人気があります。


2.印鑑に使われる様々な書体


印鑑にはここまでご紹介した「印相体」の他にも、様々な書体が使われています。

それぞれに歴史や個性があり、その特徴から向いている用途なども異なるのが書体です。

ここからは代表的な書体を5つご紹介していきます。


【 篆書体(てんしょたい)】

秦の時代に統一された公式書体で、印鑑の書体の定番として最も人気があります。

文字の太さが一定で可読性が低く、その読みずらさから偽造や盗用防止にも効果的です。

篆書体は「大篆」とそれを簡略化した「小篆」とに大別され、印鑑では一般的に小篆が使われます。

参考までに、パスポートの表紙に印刷された「日本国旅券」の文字はこの篆書体です。


【 古印体(こいんたい)】

後述する隷書体(れいしょたい)を元に、日本で独自に作られたと言われる書体です。

鋳造印に見られる文字に特有の欠けや途切れなどの風味を加えて作られた独特な線の強弱が特徴です。

風雅な味わいで「大和古印体」と呼ばれることもあります。可読性が高く読みやすいため、認印などでよく使われています。


【 隷書体(れいしょたい)】

前漢時代に「小篆」が簡略化されて生まれた文字です。

左右に払い出す波磔(はたく)と、波を打つようなリズムを持つ波勢(はせい)があり、 横長に伸びたような字が特徴です。


【 行書体(ぎょうしょたい)】

隷書体を…



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続きはこちらのページより、お読みいただけます。

匠印章辞典|印鑑の「印相体」ってどんな書体?
https://www.inkan-takumi.com/dict/about_insoutai.html

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