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米国の金利水準はどのぐらいでしょうか

米国では利上げが続いていますが、世の中(日経CNBC等でのコメンテーター他)では2023年後半には利下げに転じるのではとの観測も出ており現在のターミナルレート(利上げの到達点の金利)は5%台が一般的な見方です。しかし1970年代から2000年ごろまでは下限金利が5%でした、ところがその後は上限金利が5%となってきました。我々は長年低金利の時代に浸ってきましたが、この状態が今後も続くのでしょうか。米国の金利の歴史は1970年代から2000年ごろまでは5%が下限でその後逆に5%が上限になっています。年始からの日経新聞の特集ではグローバル化(モノの動きがスムーズ)と世界経済の関係が描かれていますが、特に元日の記事にある世界経済の停滞の歴史は興味深いです。ベルリンの壁の崩壊が1989年でその後のグローバル化は言うまでもないでしょう。ところが現在世界経済はコロナによる物流の停滞に始まって米国の対中政策、ウクライナ戦争とグローバル化と逆方向に展開しています。
 これまでの勢いで米国が金利の引き上げを行えば、米国経済はリセッション方向に動いていくでしょうが、インフレーションが収まるかどうかはまた別の問題です。グローバル化が逆展開している時代にインフレがうまく収まるかどうかは不透明です。米国金利で言えば5%程度で一旦とどまると思われますが、その後にすぐに金利低下の方向に動くと考えるのは早計ではないでしょうか。少なくとも今から(利上げの終わっていない時点から)今年の後半から利下げに転じるとの観測には違和感を感じます。そこには米国金利5%以下が当たり前だとの前提があるのではないでしょうか。5%が下限の金利となる世界にならないことを願います。