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日銀総裁会見(買っちゃったもの)

 昨日(1月23日)植田日銀総裁の金融政策決定会合後の記者会見がありました。日経CNBCで裏解説を見ていましたが、今は誰でも生の会見を見ることができる便利な時代になりました。米国FRB議長のFOMC後の記者会見でさえ眠いのを覚悟さえすれば生で見ることが出います。せっかくなので日銀総裁会見を最初から最後まで見ていましたが、あまりその後のニュースや解説では取り上げていない、一つ気になる点がありました。
 ある記者が日銀の上場投資信託(ETF)購入プログラムの今後の方針について質問しました。その質問に対しETF購入プログラムは今後の状況によっては量的・質的金融緩和(大規模金融緩和)の出口議論の対象にはなりうるが、これは購入プログラムを解除するかの議論であり、そのプログラムによって現在保有しているETFを売却するかどうかについて議論することではないとの趣旨を強調して説明していました。その時に植田日銀総裁の表現(言葉)はETFを保有していることの表現として「買っちゃったもの」(ETFを買っちゃった)との言葉遣いでした。私が少し気になったのは、普通の日本語感覚でこれは「買ったもの」と表現するのがニュートラルと思いますが「買っちゃったもの」との表現には少しネガティブなニュアンスを感じました。おそらく植田日銀総裁の潜在意識の中に、現在のETF購入プログラムないしは日本銀行がETFを現在保有している状態についてやや否定的に思っていることがあると思います。深読みすれば環境さえ整えば将来ETFの売却プログラムも考えたいと日銀総裁は思っているのかなと想像してしまいます。やや重箱の隅の話ですが、この言葉の表現に日銀総裁の思いがにじみ出ていると思いました。