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日銀の金融政策変更に対する市場の反応はちょっと変ですね

12月21日付日経新聞社説の表題は「日銀は政策で市場との対話を丁寧に」でした。20日の日銀発表前の正午のニュースで「本日日銀は金融政策決定会合で大規模緩和を継続を発表する」と流していました。私はそのニュースを聞いたときに若干の違和感を感じました。というのは黒田日銀総裁が過去にいわゆるバズーカを連発し市場を驚かしてきたということもありますが、イールドカーブコントロールという金融政策自体にバズーカ的な動きが必要となるな要素が内包されていると考えているからです。今回は後出しじゃんけんのような議論で申し訳ないが、12月26日のNikkei CNBCの「IPO社長に聞く」でNoteのことを知り、今後議論の日付が明確にもなるし、自分の考え方蓄積するにも良いツールと思い、タイミングとしては少し遅いですが初出稿とさせていただきました。
 イールドカーブコントロール(YCC)は、金融政策としての良し悪しは別にして、よく言われているように中央銀行としてはきわめて異質な政策です。YCCとか名前を付けるとそれなりに聞こえますが、簡単に言えばこれは債券価格の「相場操縦」ないしは「市場介入」です。為替の市場介入でこれから介入をやりますよと宣言することはありません、もっと言えば1971年ニクソンショックの時に前もって金との交換を停止すると宣言することはありえないのは言うまでもないでしょう。今回市場のコメントでは「突然の政策変更」とか「市場との対話を丁寧に」ようなものが多かったですが、YCCの性質上こうならざるを得ないと思います。今後の日本銀行のオペレーションはますます難しくなってくると思いますが、黒田日銀総裁のいままでのやり方を見ていると自身の任期内にもう一度なにか政策を動かすかもしれません。
12月20日づけ日銀発表の文書のなかに「各年限において、機動的に、買い入れ額のさらなる増額や指値オペを実施する」との表現がありますが、この方向性とYCCのさらなる緩和ないし解除(数値の撤廃)の方向性との刺し違えのようなことを狙っているような気がしています。