ニア・アセンダント/Near the ascendant


そんな話をする気はぜんぜんなかった。
わたし、超絶現実主義。
ききたいのは明日のこと。
リアルなわたしの行動のこと。
前世とかっていったって、だって仕方がないじゃない。
だからなんなの?たべられるの?
どれだけ気負ってなかったかは、その貴重なセッションに遅刻したことでもわかるくらいだ。
(富士吉田からの戻り道、高尾でぼんやりしすぎたのです・・・)

部屋に入り、座ったわたしにこう言った。
「きみは前世でアメリカに住んでいたね」
めんどくさ、、、ちょっと時間がもったいないなと思うわたし。
でも、それならそれでと思うわたし。
(そうくるの?だったらok.わかったよ)

「わたし、海で死にました?」
(yes,)
「夏の海、あたたかい...陸から遠くない浅瀬」
(yes,yes,yes...)
「女の子でした」
(yes,)


。。。。。。そこからはもう涙腺が崩壊だ。
Yes, I am a girl.お父さんにお母さんお兄ちゃん、大好きな海、緑、あのお家!!!

おぼえてる、おぼえていますおぼえてる。
ずっとだれかにたしかめたかった。
おなじものをみてほしかった。
でもそれはむりだとおもっていた。
「知っています。わたしそれを覚えている。」
もう、嗚咽で声にもならない。

その場所を知っている?と、彼はきいた。
しらない。地名がわからない。
あたたかい、海で、穏やかな内海の浅瀬。。。
だから、「四国」と思っていた。
イメージ的には瀬戸内の、ちいさな島の、あんなかんじがあったから。
あの、強烈な夏の太陽と。。。。。。

ああ、夏で、内海だったからね、、、そこは『マーサズ・ヴィンヤード』
。。。はっきり地名を出されても、まったく全然ぴんとこない。その記憶は残っていない。。。「ヴィ」を「ビ?」と聞き返すわたしに頷きながら彼は、連れていってあげるよ、そこに!と言って、グーグルマップを開いてくれた。
(いい時代になったものです、一瞬で世界旅行)
(げ、やだちょっとやめて、とも思っていた。。。)

どんどんとちかづいてくる三角形に、もう胸が苦しくてたまらない。
迫りくるこのくるしさを、なんと言葉にできるんだろうか。



。。。。。。。。。。
。。。。。。。
。。

そこは三角形のちいさな島
人々が夏のバカンスにやってくる

サマーハウスは海辺沿い。だーーーっとひらけた土地にある。
芝生がだーーーっと広がっていて、大好きな大きな木があるの。
なんど登ったかわからない。
そこからみる星のきれいだったこと!!
なんどだってなみだがでるわ。
ずっとそらをみていたの。
このうえないこうふくのなかにいた。


おとうさん、おかあさん、おじいちゃんにおばあちゃん。
おじ、おば、いとこもいっぱいで、とてもにぎやか。

難しい話もあったのかも知れないけれど、
わたしはこどもでなにもしらない。

なかよしのビック・ファミリー。
おだやかでほがらかでゆうふくであいされて、ほんとうに幸福だった。
どうしてもあきらめがつかなくて、そこに留まってしまうくらいに。

「あなたが乗ったはずの小舟だけが帰ってきて、それは大変な騒ぎだったようですよ」

と、彼は言った。

はい。そうです。覚えています。わたしを探すお兄ちゃんの横顔を、わたしずっとみてました。おかあさんが泣いたこと。

Truth, 
I never thought I would be able to talk about this event in this world. How wonderful. Thank you for your existence. Gratitude.


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