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Wordのマメ 〜 「Wordに謎の線が現れた」時のこと

「『ワードの文書に謎の線が表示されちゃって、それがどうしても消せないんです!』って生徒さんが困っているんだよね」と先輩に相談されて、かなり調べて報告書にまとめたら「あ、直ったみたいだから大丈夫」といわれて行き場のなくなった文書を掲載します。

2020/12/21 更新 記事内容を見直しました。

1. 問題は何ですか?

今すぐ提出しなければならない文書なのに、謎の線が画面に表示されていて、それが消したいのに消せない!

印刷画面にも出てきたり、出てこなかったり。

2. 応急処置でいいですか?

ビジネスはスピードが肝心です。理屈はほっといてすぐなんとかしたい方は、以下をお試しください。

●試すこと1  Wordのウインドウをスクロール、もしくは最小化して再度開く

※このエリアは解説です。以下急ぎの人は試してみてダメなら読み飛ばして次の項へ飛んじゃってください!
〈解説〉Wordの処理と画面表示の処理の連携がうまくいかない場合があります。私たちから見ればパソコンはパソコンですが、パソコンはいろいろな部品=モニターと本体・OSとアプリなどの連携プレーでできています。例えばファミコンするときにカセットが斜めに刺さっていると画面がバグるみたいに連携がうまく行かないことはよくあります。例えが古いですが…。その場合はウインドウをスクロールなどしてリフレッシュすると治ることがあります。

●試すこと2 ページ罫線を確認(レイアウトタブ→ ページ罫線)

経験上、この謎の線のトラブルは、前述の画面リフレッシュで直らない場合、ほぼだいたい ”ページ罫線” が悪さをしています。ただ、なぜそれが勝手に描かれるのか?何かショートカットキーがあって発動してしまうのか?は未だわかりません。

●試すこと3 ヘッダーフッターを確認(ヘッダーあたりをダブルクリック)

これもWordの謎の線でよくある例です。混乱しやすいのは、”ヘッダーフッター”とはいっても、実はページ上部や下部だけではなく、ページの横や中央にも、図形でもなんでも描画することができるのです。ここで書いた図形などは通常モードではのマウスで選択することができないのでわけが分からなくなるのです!

●試すこと4 図形や画像でとりあえず線を隠す

1、2で改善されない場合は、バグではなく、実際に線が描かれていると思われます。そんな時は、ページの背景の色と同じ色(白)の適当な形の図形を描画し、問題の部分を覆えば大体なんとかなります。ただ、その線がページ罫線の場合は隠れないので、前述の「試すこと2」をしましょう。

2と3と4について参考ファイル作りました。ダウンロードするか、オンラインで見る場合は 表示タブ → 閲覧表示 にしてください(でないと罫線が表示されないので)

●試すこと5 Wordの再起動

試すこと1と同様の理由で、画面表示がおかしくなるのですがリフレッシュでは治らない場合もあります。
ただ、Wordの再起動には注意があります。

保存しちゃダメと言われている文書は、保存せずにWordの再起動
保存して良い文書は文書を保存してからWordの再起動

一般にお仕事の現場では、「これは保存しないでね」といわれる共有の文書があります。(本来ExcelやWordのテンプレート機能などを使うところですが、なかなか普及しないので)ですので、その場合は保存しないで閉じてからまた開きます。個人の文書や新しく作った文書は必ず保存してから再起動しましょう。保存を忘れて文書を消してしまうのが怖いので試すこと4にしていますが、これで治る場合も多いです。


そもそも、なぜこんなことが起きるのか?そのようなことに想いを馳せたいかたは、続く以下の説明を参考にしてください。

ただ、お仕事の最中に文書作成のトラブルの”原因追求”をするのは、パソコン講師ならともかく、一般的にはただのコストになってしまうので、
・その現象が頻発する
・毎回直すのに手間が掛かる
などで業務が進まない などの問題がない限りは原因追求は不要だと思います。
すごく疲れちゃいます。

3. なぜ困るのか?

Wordで表示される線は次項の「線の種類」に挙げるように、人間には同じ線に見えても、実際には様々な種類の線で表現されています。

そのうえで、なんらかのショートカットキーや例えば - (ハイフン)を3つ続けて入力するとオートフォーマット機能で自動的に罫線が入るなど、編集者が意図せず線を挿入してしまう場合があります。(この辺りはまとめて note する予定です)

ですので、編集者が意図しない線が表示された場合、その謎の線を削除したいのに線の種類ごとに削除方法が違い、なかなか削除できないということります。

※すぐに気づくことができれば、ほとんどは元に戻す(Ctrl +Z)で直ります

4. Wordの線(に見える)の種類

他にもあるかな?

線の種類
文字(線に見える文字)
図形
罫線(文字、段落、ページ)
文字の下線
文字の取り消し線
表の罫線
水平線
タブのリーダー
段組みの区切り線
脚注の線
変更履歴の記録線
グリッド線(本文、表)
文章表示枠
OS/Wordの描画のバグ

線の場所
本文
ヘッダー、フッター
背景
ページ罫線
箇条書きの行頭文字
編集領域(グリット線、文章表示枠)
変更履歴
バグ

5. 問題を起こしているその線は何か?

以下のような条件で判定します。

判定条件1:その線は選択できるか?

次のいずれかの画面でマウスで選択できる場合は文字、図形、水平線。

・通常の本文の画面で
・ヘッダーフッターの編集画面で

これならdeleteキーで消せるので問題になりにくいですが、

まぎらわしいのは、ヘッダーフッターにある文字や図形の場合。

この場合ヘッダーフッター画面に切り替えないと選択出来ないので注意です。

マウスで選択できなければ、それ以外の線。例えばページ罫線などが考えられます。

判定条件2:“下書き”表示で表示されるか?

表示されない場合はページ罫線、図形、段組み、変更履歴記録線、グリッド線、文章表示枠、バグ。

6. なぜ意図しない線が表示されるのか?

そもそもなんでこんなことが起きるのか。

残念ながら全てを網羅できていません。

発生した直後であれば、最近のWordでは元に戻るのアイコンのところに履歴が表示されますので、思わぬ操作で、例えば最初にあげたハイフン3つ入力の例など入力オートフォーマットが働いて発生したものについては確認できると思います。

最後に

この問題は、ワード側で、ブラウザの開発者ツールの要素選択のように、該当箇所をポイントするとそれが何の線か分かるようになれば解決するのかなと思います。レイヤーを跨いで。

そういうワープロソフトつくっちゃうとか。

以上です。

令和2年7月17日 夏野菜のアヒージョをつまみながら  





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