マーケティングの世界では、80:20のパレート法則も5:25の法則も疑ってかかれ!
ビジネスをされている方は、パレートの法則や5:25の法則は
おなじみの格言ではないでしょうか?
80:20のパレートの法則とは、
「上位20%のファンやヘビーユーザーである優良顧客による
売り上げが全体の80%を占めている」という経験則。
したがって、2割の優良顧客を優遇、差別化することで8割の
売上が維持でき、高いコストパフォーマンスを追求できると
いう考え方。
5:25の法則とは、
顧客離れを5%改善すれば、その利益率は25%以上改善されるという
法則。顧客維持率・離反率と新規顧客獲得のバランスを充分に
考慮したうえで、マーケティング戦略を考えるということ。
ところが、そんな法則が最近の実証実験でその格言がほんとうに
正しいのかどうかという疑問が出てきました。
英国で約1万2000世帯の購買行動を追跡したデータを用いた
最新の研究では、年に1回以下しか購買しない80%のライト層が
売り上げ全体の40%を占め、パレート比は60:20となることが
指摘されています。
また、上位20%のヘビーユーザーは、その年の売り上げの
約半分(50~60%)を占めている。そして、調査期間を長く
とるほど、上位20%の貢献割合が高くなり、上位20%の売り上げ
貢献が60~70%と、オリジナルのパレートの法則の80%に
近づいていくという研究結果も出てきました。
その上位20%のLTV(Life Time Value)に関しても、ある年の
ヘビーユーザーの約50%が翌年にはヘビーユーザーではなくなる
と報告されています。
5:25の法則に関しても誤解があります。たとえば、離反率
10%のところを5%にすると25%以上収益が伸びるというのも数字の
マジックが隠れています。
10%の離反率を5%にするということは、50%、半分の顧客をつなぎ
とめることになります。収益が大幅に改善することはあたりまえの
話になってしまいます。数字の操作で過度に法則が一般化される
ことで信じてしまうのです。
こうしたエビデンスを知ったうえで、マーケティングの担当者は
どう対処したらいいのでしょうか?
それは、現在の購買頻度や単価が高いヘビーユーザーを維持する
ことに注力するのではなく、1~2回しか買っていないライト
ユーザーにもう1回買ってもらうことが最善策と言えます。
そのためには、新規顧客となりうる見込み客集めも重要な仕事に
なるということがわかります。
このような法則や格言を猛進するのではなく、一度立ち止まって
ほんとうかどうかを疑ってみることがたいせつなのではないで
しょうか?
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