見出し画像

新薬で進行したステージ2,3の直腸ガンがすべて消えた!

ガンはあらゆる病気の中で死亡率が高い疾病で、日本では
死因のトップになっています。

現に私の母や伯母はステージ4の膵臓ガンで亡くなっています。
父は胃ガンで47歳という短い生涯でした。

最近の研究では、ガンは予防が可能な病気であることが
わかってきました。しかし、ガンにならないようにすることは
できません。なぜなら、細胞分裂は、遺伝子をもとにコピー
されることで起こりますが、発がん物質などの影響で遺伝子が
突然変異し、コピーのミスが発生することは避けられない
からです。

つまり、すべての人にとってガンは発生するということに
なります。それでは、いったいどうしたらいいのでしょうか?
ガンが発生したら助かる確率が極めて低くなってしまうので
しょうか?

そんな中、米国で行われた臨床試験で前代未聞とも言っていい
驚くべき好結果が現れました。

それは、「ドスタリマブ」という薬の臨床試験です。
細胞のコピーミスで発生した直腸ガンの12名、それぞれ
ステージ2、3の患者たちにこの薬を3週間隔で6ヶ月間投与
する臨床試験が行われました。

この臨床試験の結果は、12名全員が治験終了時に、診察、
内視鏡、精密検査のPET、MRIスキャンを実施したところ、
いずれの手法でも腫瘍の存在が確認されなかったため完治と
判断されました。

ちなみに、投薬終了から最長で2年が経過していますが、どの
患者にも腫瘍の再発は確認されていないということです。

臨床試験は、18名中、その後の経過が追える極めて少数の12名に
ついて行われましたが、全員がガンの寛解した事実は、極めて
驚くべき結果と言えます。

このような研究で、これまですべての患者のがんを完全に消滅
させたことはないということなので、この薬の凄さを物語って
います。

ただし、すべてのガンに効くわけではありません。この薬の
メカニズムは免疫チェックポイント阻害薬という範疇にあり、
細胞のミスコピーを阻害する作用が、ガンの消失を誘発する
ものなので、それ以外の原因や要因のガンについてはまだまだ
研究の余地があります。

いずれにしても、今回の研究により将来的に助かる命が増える
かもしれないことを考えると、ガンが近い将来、治る病気になる
日が近づいてきているように思えます。

今回は極めて小規模な臨床試験ですが、効果を確定するには
さらに大規模な試験を実施する必要があるでしょう。

それにしても、ガン患者や家族にとっては朗報と言える研究結果
ではないでしょうか?



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?