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ワクチン予防効果(有効率)の計算方法 その1

鈴村 泰

ワクチンの予防効果(有効率)は、コホート研究により算出されます。 これは、接種群と未接種群を追跡調査して、 感染、発症、重症化、死亡の有無を調べる研究方法です。

ワクチン有効率95%は、100人にワクチン接種した時に、感染は5人のみで95人に感染予防効果が生じるという意味ではありません。 基本的な感染予防効果の計算式を以下に示します。重症化予防効果の場合は、感染率を重症化率に代えて計算します。

ワクチン有効率=1-接種群の感染率÷未接種群の感染率
または 
ワクチン有効率=1-リスク比

式の意味を順を追って説明してみます。なお、この式によるワクチン有効率は相対リスク減少率とも呼ばれます。

接種群1万人、未接種群1万人で、感染の追跡調査をして、 接種群は感染者が100人、未接種群のそれは2,000人となったとします。 この場合、ワクチン接種により減少した感染者数は1,900人です。 割合で考えますと、感染者2,000人の95%が減少したことになります。 この95%が、ワクチン有効率ということになります。

次に、接種群と未接種群の人数が異なる場合を考えてみます。 感染者数の差では計算できませんので、感染率の差で計算します。 つまり、ワクチン接種により、未接種群の感染率が何%が減少したかを計算すれば、 それが有効率となるわけです。 計算過程を以下の表に示します。

感染率を比率で表してみます。 未接種群の感染率を100%とすると感染群のそれは5%となります。 比率として減少したのは95%であり、それが有効率となります。

次に、リスク比で考えてみます。 感染率をリスクと考えます。 たとえば、感染率が0.83%であれば、感染するリスクは0.83%ということです。 接種群のリスクを未接種群のリスクで割ったものがリスク比となります。 リスク比が5%ということは、接種により95%リスクが減少したことを意味し、それが有効率となります。 つまり、「有効率=1-リスク比」ということです。

最後に、ファイザー製ワクチンの 実際の臨床試験のデータ をみてみます。 無作為化比較試験(RCT)なので、コントロール群はプラセボ群となります。 また、この臨床試験では感染ではなく発症の有無を調べました。

発症率の比よりリスク比は4.9%となり、ワクチン有効率は95.1%となります。

【ファイザー社が、感染予防効果ではなく発症予防効果を調べた理理由】

これは、発症予防効果(有効率)の方が調査に必要な労力が少ないためです。 発症予防効果の場合は、発症した人、つまり何らかの症状が生じた人をPCR検査します。 これに対して、感染予防効果(有効率)の場合は、全対象者4万3千人に対して、 1週間に1回の頻度で一定期間のあいだPCR検査を続ける必要があります。 感染者には、無症状の人もいますので、定期的検査は必須なのです。 したがって、感染予防効果では、発症予防効果と比べて、 比較にならないほどの膨大な労力が必要なのです。

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鈴村 泰
医学博士、第一種情報処理技術者、元皮膚科専門医、元漢方専門医。 現在はセミリタイア。