パンクス達よ、うまくやれ!1

パンクス達よ、うまくやれ!─INUレコーディング・レポート

関西ニュー・ウェイヴの先鋭INUが1981年3月1日ジャパン・レコードから『メシ喰うな!』というアルバムでデビューを飾る。
これは彼らがアルバム・デビューに到るまでの間プロデューサーとして関わってきた僕自身の目が捉え考えた、ロック・インサイド・レポートだ。
今日、日本のロック・シーンはこれまでにない活況ぶりを示していると言われる。あのイエロー・マジック・オーケストラを筆頭にプラスチックス、シーナ&ロケッツ、アナーキー、ヒカシュー、Pモデル、ジューシィ・フルーツ……ら数多くのグループが、ニュー・ウェイヴという名のもとに華々しくマスコミを賑わせている。最近デビューを飾ったものだけでも、ロッカーズ、イミテーション、ルースターズ、スパイ、ノー・コメンツ、ハルメンズ、フィルムス……と数多く、今後もスキン、ZIGZAG、ピンナップス、絶対零度、シネマ、プライス、モッズといったグルーブが次々と大手レコード会社からレコードを発表する予定になっている。確かにこれだけたくさんのニュー・グルーブが続々と登場して来るというのは、日本のロック・シーンにとって面白い状況になってきたと言えないことはない。だが僕には諸手をあげてバンバンザイを叫ぶ気にはとてもなれそうにもないのである……。

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