パンクス達よ、うまくやれ!2

東京ニュー・ウェイヴ’79

”今燃え広がる、東京ニューウェイヴの激しい嵐!!”なんていかにもそれ風の書き出して文を始めることもできるけれど、それじゃ、あまりにもカッコ良すぎるというものだ。
僕らはかつて、この国にロックのムーヴメントが起こるたびに、幾つもの夢が裏切られていく過程見てきたのだ。1966年後半から69年あたりまで続いたグループ・サウンズ、和製ポップスへの熱狂は、お茶の間のテレビの中に長髪でエレキ・ギターを抱えたミリタリー・ルックの若者達が、にこやかに登場して来た時以来、“日本のリヴァプール・サウンズ”としての可能性を捨て去ってしまっていたと言っていい。デビュー前は、ディスコティックで荒々しいビート・ナンバーを演奏していた連中も専門家の商業作詞作曲者の作った甘いラヴ・ソングを歌っていくことで、歌謡ショーの予備軍として使い捨て去られてしまったのだ。

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