パンクス達よ、うまくやれ!3

東京ニュー・ウェイヴ宣言

「批評とはそもそも対象化の作業であるのだから、自分の内に対象化すべき混沌としたロック街を持たないものがロック批評を行ったところでラチがあかない……」渋谷陽一氏は彼の初の評論集の中でこの様に語っているが、同感である。 そしてこの言葉をそのまま「ロッキング・オン」1979年5月号及び7月号の竹場元彦氏による、“東京ロッカーズ”、“東京ニュー・ウェイヴ’79”に関するレコード評とコンサート評にそっくりお返ししようと思うのである。最初は渋谷氏も言う所の気分的で皮相な批判に直対応するのは消耗なので、とも思ったのだが、無関心こそが犯罪的である、と言うヤセンスキーの言葉もあることだし、僕の周辺で文句の声も結構聞いたので、あえて反論させていただくことにする。

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