ティーン・エイジのブルースが聞こえる2

いじめられっ子、世にはばたけ!

1983年10月9日のサンケイ新聞朝刊に掲載された2つの“10代事件”は僕を複雑な心境にかりたてる。
1つは愛媛県上浮穴郡久万町の県立上浮穴高校で起きたできごと。日頃自分より腕力の強いB(17歳)に殴る蹴るなどいじめられていた少年A(16歳)が授業中Bに「シャープペンシルを貸せ」と因縁をつけられた。そのシャーペンはは前日既にBがA少年から取り上げて彼の手元にはないのを知っていながら、BはA少年を放課後「どうして貸さないか」と足げにするなど乱暴した。「仕返しをしよう。腕力でかなわないから銃を使おう」と思いたったA少年は、父親のロッカーのカギを盗んで猟銃を持ち出し、翌日授業中にBの足を狙って発砲、弾丸の破片は壁に跳ね返ってBにではなく金子健二君(16歳)の右腕と右太ももに当たって、全治2週間のけがを負わせた、というもの。

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