パンクス達よ、うまくやれ!6

甦ったオリジナル・パンカー─サンハウス

1983年9月23日、東京の日比谷野外音楽堂は超満員に埋めつくされた3,000人あまりの聴衆のただならぬ熱気でむせかえっていた。そう、この日、本アルバムの主人公サンハウスのオリジナル・メンバー(鮎川誠、柴山俊之、奈良敏博、浦田賢一)による8年ぶりのリユニオン・コンサートの最終回“Crazy Diamond〜サンハウスをぶち壊せ!”が行われたのだ。オープニング・アクトにA・ R・Bとルースターズが出演したとはいえ、コンサートの告知には“他・ゲスト有り”と書かれていただけであり、この日、日比谷野音に結集した若者たちは、ひとえにこのサンハウスのラスト・コンサートを一目見ようと集ってきたのは疑う余地もなかった。陽が暮れて、野音がすっぽりと夜の闇に包み込まれ、サンハウスのメンバー達が登場すると、野音を埋めつくした聴衆達は一斉に椅子の上に立ち上がり、この蘇った伝説のロック・バンドのラスト・ステージに惜しみない歓声と拍手を送り続けた。それは本当に素晴らしい歌と演奏だった。

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