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ジャック・アマノの“アメリカ NOW” 「ガラガラの成田空港発でアメリカへ」

 COVID-19=新型コロナ・ウィルスの猛威がなかなか治まらないアメリカに、いよいよ向かう時がきた。モータースポーツ・シーズンが始まり、私の仕事=レースの取材が許可になる見込みになったからだ。
 ただし、アメリカ入国後には14日間の自己検疫が今も義務付けられたまま。仕事を始められるのは7月に入ってしばらくしてから……ということになる。

 今回は羽田からではなく、成田。JRの成田エクスプレスは運休中(!)
長時間密閉空間にとどまることになるのでバスは敬遠、45分と乗っている時間の短い京成スカイライナーを使うことになった。
 N’EXが休んでるので混雑するかも……と警戒して席を予約しといたが、そんな必要はまるでなかった。車内はガラ空き。6号車には56席あったが、上野で4人、日暮里で3人が乗っただけだった。

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 空港はもっとガラガラだった。京成の改札を出た先の広場には誰もおらず、携帯電話レンタルの店などはシャッターが閉まっていた。
 4階に上がってANAのカウンターに行くと、並んでるのは2人だけ。スーツケースを預け、ボーディング・パスをもったが、ここまでに電車を降りてから10分も経っていなかった。搭乗率は20パーセントほどと聞き、周りに人のあまりいない席に移らせてもらった。

 手荷物検査に並んでる人=ゼロ。荷物を調べるターンテーブル、身体チェックをするゲート、X線の機械が両方新調されていた。日本ではこの検査、靴を脱げって言われない。今回もそうだった。でも、これがアメリカに行くと、脱がないでいい場所の方が少ない。地べたを靴下とか裸足で歩くのは嫌だけど、どうしようもない。スリッパとか用意してくれればいいのに……。日本ではそうしているところ、見たことがある。

 出国手続きを終えて、免税品の店が並ぶ通りに出ると、メインテナンスの作業員さんたち以外に人影がなかった!
大袈裟じゃなく。ブランド品のショップも、免税品店もほぼ全部閉まっていた。
 さらに進んだ先にあるドラッグ・ストアと民藝品などの店は開いていた。でも、その奥の本屋は休み。食べ物やさんは50番台のゲートが並んだところしか開いているところを見なかった。

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ゲートに着いてる機体の向こう、遠くに何機も余ってる飛行機が駐められてた。ここには3機しか映ってないけど、ズラーリと

 ANAのラウンジは、ファースト・クラス用のみをオープンしていた。利用者が少ないから狭い方だけ使ってるってことなんだろうが、それでも混まなかった。窓から外を見ると、遠くにANAのもJALのも休んでいる機体がズラーッと駐機されていた。

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ANAは、肘かけやテーブルなどを拭くための除菌ワイプを用意していた。廃棄用のビニール袋もくれる

 NH 120便のエコノミー・クラス。一番後ろのセクション=30〜42列目にあるには124席。乗ってたのは16人。機内ではマスク着用が義務付けられていた。キャビン・アテンダントはゴーグルをしている人もいた。「さすがANA」と思ったのは、除菌ワイプを用意してたところ。持参していたけど、1枚もらってみた。機内放送で”ANAケア・プロミス”とかいうウィルス対策の宣伝も何度か行われていた。高性能のエア・コンが3分間で機内の空気を全部、外のフレッシュな空気と入れ替える……とか、そのエア・コンに装備されているフィルターは、病院の手術室でも使われる最新鋭のものだ……とか。これだけ空いているとトイレが混まなくていい。汚れないって点でもありがたい。日本のエアラインはトイレの掃除を頻繁にやってくれるし。

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着いたその日のテレビで、”1日の感染者数・最大を記録”というニュースが

 映画は、今回の渡米のタイミングにぴったりのを見た。原題=JUST MERCY。邦題=黒い司法
0%からの奇跡。アラバマ州の黒人差別を扱った作品。遠い昔の話じゃなく、1993年の実話が基になっているんだから驚く。

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自己隔離の説明、あると思ったら、レーサーのハンドアウトみたいな紙1枚!

 シカゴ着。20分早着……と自慢されたが、カタール・エアラインのすぐ後の到着となったので、イミグレーションには長い列。なぜ今、ドーハからシカゴにこれだけの人が来てるんだろう?
家族連れも結構な数がいた。
 列はなかなか捌けなかったものの、1時間弱で審査場をクリア。滞在4ヶ月と告げてもスンナリ通してくれたし、荷物も待ち時間なしで受け取れて、税関をスルー……したその後に、「これをどうぞ」と渡されたのが”COVID-19感染ストップ”という紙だった。空港で自己検疫について何か説明とかあると思ってたのに、全然なし。

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こちらは検温表。”COVID-19感染ストップ”の紙の裏に記されているQRコードでゲットする

 ターミナルの外へ。快晴で気温は摂氏24度と快適。3月以来のアメリカだ。
 レンタカーはハーツ。最大手だけど、つい最近倒産したってニュースを見てたので、どんな状況か? と思ってたが、何事もなかったかのように、以前と変わらず、普通に営業してた。指定された列に並んでいる中から好きな車を選んで乗ってっていいシステム=アルティメイト・チョイスっていうのが最近のハーツにはあって、今回もそれを利用させてもらったんだけど、選べるクルマの種類が減ってた……というか、偏っていたというか……。ニッサンのローグにしたのは、信頼性が高くて燃費の良いクルマ=日本車を希望していたから。1ヶ月超の長期間レンタルになるし、距離もそれなりに走るから。ただ、今回のライン・アップにはトヨタのカムリ、カローラが1台もなく、マツダMX3もなし。経営健全化のために売れ筋のクルマはどんどん売り払っちゃってるのかも。

6月25日 第1回終了 


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