多摩楽天地(多摩多摩パラダイス)

多摩ニュータウンの街づくりは高度成長期の若者に合わせた設計で造られた。

今回の展示スペースである学校も「若者」に最適化されている。果たしてそこにあるのは理想か?

若者の粒度が高い地では流行が生まれ、すぐに忘れ去られていく。

建築家の隈研吾さんはこう語る。「20世紀に登場した『郊外』という形式こそ、バーチャルな都市の先駆者である。さまざまな歴史、時間が染み付いているはずの『土地』の上に、その場所とは無関係な『夢』を強引に構築する方法でつくられた街が『郊外』と呼ばれた」と述べる。「現実のすすけた姿がのぞいてみえてしまった途端に、人々は夢から覚めてしまう」

こちらは1961(昭和 36)年 8 月 13 日に東宝
系で公開された日本映画『喜劇 駅前団地』で描かれている風景である。

深い緑をたたえていた丘陵の表土は剥ぎ取られ、殺風景な黄土色の地肌を見せる造成地に通る一本の道路。時折走る車は激しく砂埃を立てる。殺伐とした風景の中に点在する真新しい住宅と、若者の笑い声が響く団地。夕方には古くからの商店街にある飲み屋目指してギターを携えた若者たちが歌いながら降りてくる」
昭和 40 年代の開発当時は長らく日本を形作ってきたムラ社会から解放され、都心で働き、核家族で暮らすことが若いファミリー層の憧れであった。

今回の展示では100年前から60年前の未来予想図(願望込みでの)と、当時の理想として建設された多摩ニュータウンをコラージュすることで、理想郷の再構築を目指した。

当時の理想の投影としてたぶんにロボットが登場する。人型ヒューマノイドの夢は、当時の理想の象徴とも言える。

人はこれからどんな未来に理想を馳せるのだろうか。

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