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ささやき(2021)

強烈な造形 己を讃えるためだけの詩歌
映画の終わり 黒一色のエンドロール
もう一度世界を 君の原色で満たして

夜を越えて 夜に戻り 夜を駆けた 
徒然なるままに
遠い太鼓 夜の帳 残響
そして僕は一人 朝焼けを待っている

質量のある白昼夢
魔法の言葉 不在の存在
約束だけが増えていく 反対側の世界
羊も山羊もいない 四角い看板が並ぶ街

生活の空白を多忙で埋めて 
酒を飲んで 己を語らず
ただ日々を生きる
ただ日々を生きる
ただ日々を生きる
3つの画面を交互に眺め 質量のない日々を
ただ生きる だけ

分岐し続ける世界線のマージ作業 コンフリクト修正
自己同一と選択の回数について考える

砂漠の砂に頬を擦り付けて熱さを観察しているような虚無と
30歳の誕生日の日 タイムズスクエアで見上げる予定の光の粒が拮抗していく
2016年夏 人生の青写真を眺め 
ため息を吐く度に そこに付け足す新しい色を探していた

僕は生き そして生まれ変わる 
例えそれが人の真似事であっても
首の痛み 下腹部の痙攣 明滅する躁と鬱
老いた身体を引きずり 
全てを放り出して山に籠るまで

僕は生き そして生まれ変わる 
例えそれがただの憧れであっても
時の痛み 思い出の喪失 明滅する躁と鬱
朽ちた身体を引きずり
全てを投げ出して海を渡るまで

分からない こんな時 志村翔太ならどうするの
これから君は何処に Shota Shimuraの消失

諦念の中で
時々繋がる 電波と言葉
時差のない世界 
始まりと終わりを分け合って
結局 同じ時を生きている

纏う風は等しいか
見上げた月は同じものか
実は 物理に騙されてないか
傷跡を塞ぎ 乾いた砂を捻じ込んで

絶望して彷徨い
虫ケラみたいに踏み潰されて
それでも何とか這いつくばっている

いつか僕に ウールで出来た羽が生え
怒りの度に 金色に染まり
落ちていく地面を眺めている

絶望して彷徨い
虫ケラみたいに踏み潰されて
それでも何とか這いつくばっている

絶望して彷徨い
虫ケラみたいに踏み潰されて
それでも何とか這いつくばっている

終わらない夜に
そう・・・・・・




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