稲田ズイキ

1992年生まれ。京都久御山町のお寺出身で副住職。同志社大学法学部を卒業後、渋谷のデジタルエージェンシーに入社し、2018年に独立。2020年から「フリースタイルな僧侶たち」の三代目編集長になった。著書『世界が仏教であふれだす』(集英社)。

稲田ズイキ

1992年生まれ。京都久御山町のお寺出身で副住職。同志社大学法学部を卒業後、渋谷のデジタルエージェンシーに入社し、2018年に独立。2020年から「フリースタイルな僧侶たち」の三代目編集長になった。著書『世界が仏教であふれだす』(集英社)。

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    一夜漬けの幸い 第3夜「幸せを目だとしたら」

    幸せとはなにか。夜の1時半を過ぎた今、またもやノートのはじめにそう記した。 「幸せを雑に語る」を胸に、一夜漬けのへろへろな幸福論を語るのがこの連載。昨日はノートを開かないまま惰眠をむさぼってしまった。うっかりゲームをしてしまったのである。 講演はもう4日後となってしまった。まだ原稿はまっさらのままだ。はたして自分はこんなことをしている場合なのだろうか。まぁ、さいあく、このノートを音読すればいいとしよう。パワポを使った説明なんかよりは、よっぽど味のあるものになるんじゃないか

      • 一夜漬けの幸い 第2夜「幸せは犬である」

        幸せとはなにか。今夜も、まっさらなページにそう書き記した。 一夜漬けの幸い。この連載は、6日後に「幸せとはなにか」について、1000人の前で講演をしなければならない人間が、追い込まれ、さじを投げた末に、とりとめもなく書き出してしまった文章群である。 「幸せを雑に語る」を胸に、できるだけ文章を見直さず、前に前に書き進めていく。試験前の一夜漬けのように、翌朝になってヘロヘロで何も覚えてないくらいのおぼつかない幸福論を語る。そのつもりである。 案の定、昨夜に書いた文章はあまり

        • 一夜漬けの幸い 第1夜「幸せを雑に語る」

          幸せとはなにか。今まっさらなノートにそう書き記した。 今、困っている。一週間後、京都劇場という劇団四季がライオンキングをやるような大舞台で、1000人の観客に向けて、幸せとはなにかについてお話をしなければならないのだ。テーマは「これからの幸せ」である。 なんでこんな仕事を受けてしまったのか。今になって後悔の念が尽きない。他の登壇者は元京大の学長のゴリラ研究者の山極先生(めちゃ好き)、司会は笑い飯の哲夫さん(めちゃ好き)。いったい僕に、何をしゃべれというのか。 実はこの仕

          • みうらじゅんさんに「全身に金粉を塗れ」と言われた話

            想像してみてほしいのだけど。ふだん会議や飲み会で使っているオンライン通話ツール「Zoom」。 その四角い画面のあれに、自分が尊敬してやまない「あの人」が入ってくるという状況を。 憧れ、推し、神、仏。どんな言葉がふさわしいのだろう。とにかく「あの人」と自分が、同じ一枚の絵に収まるのだ。 ありえない。次元がどう転んでも、その一枚絵はあってはいけない。そんなの、モナリザの横にチンアナゴが鎮座しているようなものだもの。自意識が耐えられるはずがない、と思っていた矢先、 起こって

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          • 一夜漬けの幸い
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            人生で初めて歌詞を提供しました

            忘れもしない。 大学のサークルで宅飲みの最中、僕がトイレにいってる間に、友人Tは僕のカバンから「じゆうちょう」と書かれたノートを取り出し、そこに書き連ねていた僕のオリジナルソングの歌詞を目の前で読み上げていたのだ。 あの時の恥ずかしさは、いまだに走馬灯のように駆け巡る。 今晩の最高の酒の肴を見つけたぞと言わんばかりの友達のしたり顔。 やめ〜と言いながら駆け出す僕。 読み上げられた曲のタイトル、『DAPPI☆』。 その横に描いていた頭身の狂ったオリジナルキャラクター、みち

            令和の「宗教者」、辛すぎる問題

            ある日、Twitterで個人の匿名の方からDMが届いた。 「メディアを使った布教活動はやめてください」と書かれてあった。 おいおいお前、織田信長か? 僧侶狩りか? これからうちの寺、焼き討ちにあうのか? なんて思ったが、冷静にこのメッセを送ってきた背景を想像すると、おそらく僕が仏教をコンテンツとして発信していることに対しての発言なのだろうかと想像した。 たしかに、僕はメディアを使って仏教を発信している。 こういうツイートであったり、 こういう連載であったり、 た

            稲田ズイキのまとめ

            僧侶。1992年京都のお寺生まれで副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。 【連載】 「僧侶だけど煩悩まみれ