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foreverness

夜半からの雪は寝静まった町を真白く染め 暗闇に滑り出した車体へも
そっと舞い落ちる 反対側へと去りゆくテールランプに視界が滲む
忙しなく拭かれる窓 細く開けた隙間からしんしんと入り込む冷気
平等に流れる時が一瞬でも伸びたなら 耳に届いた曲がまた瞳を湿らせゆく

素のままの感情に 心は強く揺り動かされて 愛より速く 深きをたゆたい
のこされた鮮やかな確かさは 森のなかで他の気配にやすらぐことに似る

作為的なものとさふでないもの 人工物と自然の造形 それぞれの間の
うつくしさ 不意に足が止まり 天の配剤 spiritの導きに溜息 

すっと落ちゆく雪塊 しんとした静寂を破る響きに慰めらる
置き土産のやうなうつくしさに束の間見惚れ 抱きすくめられ跳ねる心
ときに毛布のように包む腕を こいしく思わぬ日がないよう
今日も日差しに焦がれてゐる いまを精一杯生きやう 渡る季節まで

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛