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音訳と朗読の違い

音訳も声に関するスキルが必要なものなので勉強したいと思って始めました。
私が実際に学んだところまでを備忘録として記しています。
進捗に応じて追記します。


音訳とは何か

読んで字のごとく、音に訳す。
主に視覚から情報を得られない方に向けて、書いてある文字や図などの内容を音声化すること。
つまりは文字起こしの逆。

調べると「情報保障形態のひとつ」などと小難しく締めくくられているが…
要は、見えない人も雑誌や新聞から情報を得たり、図書の内容を楽しんだりする権利があるため、別の手段でその内容を提供するということ。

音訳の場合は音声だが、点字を使った点訳もまた情報保障形態のひとつである。

朗読とは何か

こちらも漢字をそのまま読めば、朗らかに読む。
文章や詩歌を、そこから汲み取った情感を込めて読みあげること。

対象者は音声が聞こえる人間であれば老若男女限られない。
読み聞かせもこちらに含まれる。

音訳を利用する人の特徴


視覚障碍のある方に向けて提供しているので、

耳が良い人が多い

視覚情報が得られないとそれを補うために
聴覚や嗅覚、触覚など他の感覚器官が敏感になるというのはよく聞く話だ。
視覚が無ければ、いま自分が向かい合ってる人物は誰なのか、足音や声、装飾品や服装から出る衣擦れの音だけで判断しなければならない。
常にそういった状況に置かれた人間は、否が応でも聴力が鍛えられる。

※この場合の聴力は
聴覚器官からの伝達+脳での情報処理=聴力
と個人的に定義している

更に、聴覚障碍のある方は音声で情報を得ることが多いため沢山の人間の声を聞いていて、音声を聞く耳が肥えている方も多い。
従って、音訳者の良し悪しもはっきりと分かる。

そうした「耳が良い人」は
単語の変なアクセントやちょっとしたイントネーションの癖が、普通の人より何倍も気になる。
あまりにもおかしいと、むしろ内容よりもそっちが気になって仕方ないかも知れない。

利用者のために最低限、
明瞭な滑舌と、高→低に着地するプレーンなイントネーションは必須である。

朗読との違い


情報の伝達

利用者が欲しいのは書かれている内容。
音声はただの手段である。
出しゃばらず、違和感なくさらっと流れるように聞けるのが良い。

読みのスピード

早過ぎず遅過ぎず常に一定で、適切な位置でひと呼吸置いたり、内容を噛み締めるための間を置いたりする。

抑揚を付け過ぎない

音訳の場合、受け取った文章の喜怒哀楽、善し悪しを判断するのは聞き手である利用者。
基本的に読み手の判断した情感は不要であるとされる。
これはアナウンサーに言われているのと同じである。
雨が嫌な人もいれば嬉しい人もいるのだ。
自由に想像する楽しみを奪ったり、バイアスを与えたりしてはいけない。
それに、長く聞く小説などに感情を込められると「聞いている途中で疲れてくる」と言う利用者の意見もある。

書かれたものを「全て」読む

文字は全て読むし、記号も読む。
教科書の音読の際、カッコは読み上げてもカッコとじを言わないことがよくあるが、
文章が見えていなければ、どこからどこまでが括弧内の文章か正確にはわからないので、カッコとじも必ず読む。
矢印→や点々点…も読まなければ伝わらない。
括弧書きや但し書きになっている部分は、解説であることを分かりやすくするため少し声色を変えても良い。

図表も読む。
重ねて言うが、利用者は図表が見えていない。
その図が何を示しているか、挿絵には何が描かれているか、主観を廃した簡潔な言葉で説明する必要がある。
数字の並んだ表を読み上げる際は順番と間を工夫する。



以下、適宜追加します。




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