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うつろう四月


四月、心が動いた瞬間を誰かに届けたい。
ありふれているけれど、1日として同じではない私の毎日をここに。


ひまわりのような私の相棒


私には双子の相棒がいる。
私たちは生まれてから今まで、色んなものを分け合いながら一緒に暮らしてきた。
いちばん近い存在の家族。心の内をありのままに話せる親友。ずっと一緒に生きてきた、そしてこれからも一緒に生きていくパートナー。
私たちの関係はひとつの言葉では表せないけれど、なんとなく「相棒」という言葉がいちばんしっくりくる気がするよ。
私たちが一緒に生きてきた歴史や、彼女への想いを紡ぎたいと、ずっと前から考えていた。けれどその全てを言葉で表すことは決してできないし、私たちはいつも生きた言葉を伝えあっていた。だから、永らくそのnoteは下書きに眠ったままだった。

四月、彼女が横浜に引っ越すことが決まった。私は、不完全でもいいから今の気持ちを残しておきたいと思った。お別れの時に書いた手紙もあまりにも急ごしらえだったから、これがメッセージになったらいいなという願いも込めて。




「自分らしく生きたい」
そう願うあなたの新しいスタートを、心から応援したい気持ち。実は私、あなたがこれからどんな道を歩んで、どんな風に生きていくのか、とても楽しみなんだ。
社会人になってからの経験を経て、人の語りを聞いて届ける仕事がしたいという話をわくわくに満ちた顔で話してくれたよね。
あなたが私にしてくれたインタビュー、今でも忘れられません。社会で自分らしく生きようともがく私に光を当ててくれたように感じたんだよ。


これからあなたに語りを聞いてもらう人たちは、今この社会で生きる自分を誇りに思えるんじゃないかな。自分をぎゅっと抱きしめるような時間になるんじゃないかな。心からそう思うよ。
「誰もが語るべきことを持っている」
そう話してくれたことがあったけれど、私も本当にその通りだと思う。私は、仕事を通して子供達の声を聞いていきたいと思ってるよ。また、いろいろ共有させてね。


ちゃんと1人でやっていけるかなとか、これから先どうなるんだろうって不安な気持ちもたくさん話してくれたよね。でも大丈夫。
あなたには、あなたを大切に思っている人、困った時には手を差し伸べてくれる人がたくさんいるよ。もちろん私もそのひとり!だから安心して自分の道を歩いていってね。


でもやっぱり、離れて過ごすのは少しだけ寂しいです。一緒に過ごす毎日が本当に楽しかったからね。仕事終わり、家に帰るといつも私たちにしか分からない笑いのツボを共有しながら笑いこけていたこととか、その時感じているもやもやを、そのままの温度で伝えることができたこととか。
全部が私にとっては嬉しいことだったんだよ。思えば生まれてからずっと、ほぼ離れることなく一緒に暮らしてきたんだから、離れるのが寂しいのも当たり前だね。


けれどね、住んでいる場所の距離が離れてしまっても、心の距離は離れないと私は確証している。


これからも、気持ちを共有しながら一緒に生きていこう。あなたがどこに住んでいても、絶対に会いにいくよ。


心のコップが溢れてしまいそう



職場に向かいながら、1年前のことを思い出していた。
私はいつも、新しい環境に飛び込む時にはそわそわするし、どうしようもないくらいに緊張してしまう。新社会人として初出勤をした日も、本当に疲れてしまってお風呂にも入らないまま寝たことを覚えている。職場の先輩達と上司があたたかく迎え入れてくれたことにほっとする気持ちも大きかった。


発達障害や発達に遅れのある子ども達が、自分らしく生きていけるようにサポートをする。そんな療育の世界に飛び込んで、ここまで走り続けてきた。
1年という年月は子供たちとの間に確かな繋がりをもたらしてくれたし、私にとってもありのままで過ごすことのできる居場所のような職場になったなと思う。


社会人2年目を迎えたタイミングで、求められる仕事がどんと増えた。妥協したくないし、たくさん考え抜いて子供達と向き合いたかったからこそ、段々心の余裕がなくなっていったように思う。
疲れからぼーっとして子供達にそっけなくしてしまうことや、感情が昂って怒ってしまうことも増えた。先輩達も忙しいのは目に見えてわかるから、簡単に助けを求めることができない。


自分を大切にしないと、相手も大切にすることができない。それが分かっているからこそ、苦しい。



先週、その日私がやる予定になっていた仕事をする余裕がないことを、震える声で先輩に相談した。すると、その仲良しの先輩は「大丈夫だよ、優先順位の高い仕事から取り組んでね」と伝えてくれた。その後も私の仕事の進み具合を気にかけながらスケジュールを組んでくれたり、「本当にお疲れ様、今日も頑張った」と毎日言ってくれたりする。
一個歳が上で、いつも楽しく雑談をしている先輩も、「しんどくなったら私に頼んでいいよ。何とかするから」と笑顔で言ってくれた。自分も忙しいのに、なんて頼り甲斐があるんだろう。


自分を大切にしながら働くのってとても難しいことだなと思うし、みんな多少は無理して頑張っているのだと思う。
そんな中で私に向けてくれた先輩達の優しさをしっかり噛み締めたいし、できることを確実にこなして恩返しができたらいいな。


心のコップが溢れてしまいそうな時には、誰かに頼りながら、自分ができることをひとつずつ手繰り寄せていこう。
忙しい毎日の中で光る、私と話している時の子供達の嬉しそうな顔や、先輩や上司と話すたわいもない楽しい雑談。そういうのがあるから、明日もまた職場に向かうエネルギーが湧いてくる。



春の東京で


東京で大好きな人たちに会うこの日を、ずっと待ち望んでいた。みんなに喜んでもらいたくって、プレゼント用のクッキーとブラウニーを深夜に作ってしまうくらいに。
2日間で、友達3人と遠距離中の彼に会う予定だったから、カラフルな感情で心が動き続けていたように思う。


最初に会った友達は、高校生からの長い付き合いで、離れていても定期的に会いたいなあと思う大親友ちゃん。お互いに「元気そうでほっとしたよ」と言い合いながら美味しいランチをして、恋バナをしながらお散歩した。彼女はいつでも私の憧れを詰め込んだような女の子。
一緒にいるとすごく安心するのは、共に過ごしてきた長い年月が、私たちの間に信頼をもたらしてくれているからなんだろうね。



夜はベトナム旅に一緒に行った彼女と会う予定だったけれど、少し時間があったから吉祥寺のお気に入りの通りを散策することに。
柔らかい雰囲気の素敵な絵を描く夫婦の個展を覗いたり、異国の地からやってきたアンティークのボタンを扱うお店に入ってみたり。
こうやって心ときめくものに出会う瞬間が私は好き。それを誰かに共有したくって、友達や彼、お母さんに色々話してしまうけれど、みんなにこにこ聞いてくれるから嬉しい。

友達と合流して歩いていると、ドイツ人の女性に声をかけられた。どうやら行きたいお店があるようなので、案内してあげることに。道中かなり長かったから色々お話ができた。私は馬に乗ることが好きだから、いつかドイツで乗馬をしてみたいことを伝えた。「ドイツは景色が綺麗だからいつか来るといいよ、フライトが長時間でキツイけどね。来る時は連絡ちょうだいね!」
フレンドリーであたたかい彼女との出会いだった。


外国から来たカラフルなボタンたち



思わずじっくり見てしまう、優しい世界



夜ご飯はベトナム料理屋さんへ。一緒に行ったベトナムで食べれなかった料理や、もう一度食べてみたかったものを次々と頼んでいく。誕生日のお祝いをしてくれたのも嬉しかったね。
彼女は、ありのままに心の内を話すことのできる、心の距離が一番近い親友。彼女が私の話を聞いてくれている時の表情が好きなんだ。社会人になってから、どんどん仲が深まっているようで嬉しい。いつも話しても話しても足りないような気持ちでバイバイをするの。


さっぱりしてるけど旨味がたくさんのフォー
かぼちゃのチェー(ココナッツミルクとかぼちゃの温かいスープの中に白玉が入ったもの)


夜は彼のお家へ。会うのは1ヶ月ぶりだったから、はち切れんばかりの嬉しさと少しのドキドキを携えて最寄りの駅まで向かった。彼とのことを書きたい気持ちも少しだけあるけれど、今は私の心の中に大切にしまっておこうと思う。


次の日は、彼とお昼まで寝坊してから一緒に家を出て、秋葉原でお別れした。初めて訪れた秋葉原で、双子の相棒とアメリカ人の友人が好きなキャラのグッズとガチャガチャを探して歩いた。
残念ながら見つからなかったけれど、好きな2人の顔を想像して歩く時間はわくわくした。




最後に、大学時代の後輩と半年ぶりの再会を果たした。天気が良かったから好きなパンを買ってお花見ピクニックすることに。会えなかった時間を埋めるように、気づいたら4時間ぐらいお話をしていた。大学生最後の1ヶ月のこととか、仕事のこととか、恋バナとか。同じ温度でたくさんの話をして、当たり前のように会っていた日々が終わってもこんなに仲良しで、幸せだなあと思った。妹のようにかわいい友達。


🌸


手作りお菓子も持参してピクニック🍪



東京で大切な人たちに会って、あたたかい嬉しさと共に少しだけ寂しさを感じた。私の毎日はここにはなくて、気づいたら色んなことが移り変わってゆく。
それでも東京には大好きな人たちがいるし、お気に入りの場所もある。
自分の家に帰ってきて、ほっとしたのはなぜだろう?今の私の毎日は確かにここにある、と感じられたからかな。明日からまた仕事だけどいっちょがんばるか〜と思うこと。お母さんと話す何でもないひととき。好きを詰め込んだ私のお城。そういうのに触れて、今の私を作っているもの達を愛おしく思えたからかな。



全てがうつろっていく。でもそれは悲しいことではなくて、その大きな流れの中であなたとつながり続けられたら嬉しい。
心の奥でそう思っていた。またね、東京。


24回目の誕生日



1年前、初めて書いたnoteは23回目の誕生日のことだった。



このnoteに、私はどんな祝い事よりも誕生日を祝うのが好きだと綴ったけれど、1年経った今もそれは変わらない。
誕生日は、その人が生まれてきたことをお祝いする日。受験合格とか結婚とか、はたまた昇進とか、その人が成し遂げたことではなく、存在していること自体をお祝いする。だから私は誕生日が好きなんだ。


「私と出会ってくれてありがとう」「生まれてきてくれてありがとう」
そう伝えるのも伝えられるのも、いちばん心がほんわりとした喜びに包まれるように感じる。


彼が日付が変わる瞬間にお祝いしてくれたこと。大切な友達や家族が手紙をくれたこと。双子の相棒と一緒にケーキを食べてプレゼントを送り合ったこと。それから、仕事終わりに携帯を見たらたくさんの「おめでとう」が並んでいたこと。
朝一番におばあちゃんが「誕生日おめでとう」と言って1時間かけて書いた手紙をくれたこと。


そのどれもが私を幸せにした。

24歳はどんな1年になるだろう。
こんな風に、いつまでも歳を重ねることを楽しめる人でありたい。



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