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声を聞かせて



昨日、とっても嬉しいことがあった。
私の職場に通っている女の子が、
「親にも友達にも話せないことが先生には話せる。聞いてくれてありがとう。すっきりした。」
と伝えてくれた。
彼女が友達のひと言で感じた初めての感情。
その気持ちを聞いて欲しかったのだと思う。


私はこんな風に、子どもが心の深いところにある感情を打ち明けてくれた時に喜びを感じる。
その気持ちをまっすぐ受けとりたいと思う。
私に共有することで、心が満たされる感じがあるといいなと思う。友達でも、家族でも。
きっとその根底にあるのは、「人の深いところの声を聴きたい」という願い。


この日、私は「52ヘルツのクジラたち」という本を読み終えた。この本に出会って、私の芯にあるこの願いがはっきり浮き上がってきたように感じた。頭で考えてそう思ったのではなくて、これだ!っと直感した。
52ヘルツのクジラは、歌っても誰にも声を届けることはできない。とても孤独なクジラだ。
そんなクジラと同じように、誰にも届かない声で叫ぶ人がいる。困り果てて、助けを求めたくて、でも周りに届くように声をあげられない子どもたち。私はそういう人の声を聴きたい。そうして受け止めたい。
とても難しいことだと分かっている。けれどこの思いはずっと私の中にあり続ける。


52ヘルツの声を持つ人でなくても、出会った人の声を、なるべく深く、ありのままで聴きて生きていきたいと願ってる。
「傾聴力があって、一緒にいる人の心を自然と落ち着かせる不思議な力もあって、魅力的な人だなあと思ってた」と手紙に書いてくれたあなた。
「しっかり話を聞いてくれるから、子供達も悩みを打ち明けやすいんだと思うよ」と言ってくれたあなた。
宝物のように心の中に残る言葉になった。



最近調子はどう。
好きなこと教えて。
どんな時に心が動く?
今日はどんな1日だった?
話したいことあったらなんでも聞くから。
あなたが感じたどんな気持ちも間違ってないよ。
話してくれてありがとう。



これが全てではないけれど、こんな会話が沢山できたらいい。


現実の経験と本を読んで感じたことが結びついて、私にとって大切な想いを認識できた。
自分の経験からの学びと、本からの学び。どちらも私にとっては比べられないくらい大切だと思う。

社会人になって5ヶ月、自分はどう生きていきたいのか、考えることが増えた。
仕事、結婚、家族、プライベート…
ずっと頭の中がぐるぐるしている。
けれど「人の深いところの声を聴きたい」という願いはずっと根本にあり続けるのだと思う。



でも、それが自分の全てではない。
もっともっと、自分のことを知りたい。
最近はそんなことを考えていました。


私の考え事を聞いてくれてありがとう。


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