追憶
さいきん、ちょっとだけ昔のことを思い出す出来事があった。
大学時代のインターン先に差し入れを持って顔を出しに行ったんだ。
インターン先は「子どもの貧困に本質的解決を」というビジョンを掲げているNPO法人。
そこで私は、子どもの居場所支援に携わっていた。約1年半、居場所に来る子どもたちと関わり続けて多くを学んだし、私にとっても大切な居場所になった。小さな友達も沢山できた。
「貧困という困難を抱えている」ということは、一つの側面でしかないということを知った。一人一人が個性や強み、夢を持っていて、きらきらした顔をしている。
支援者として子どもの未来を考えて関わると同時に、まっさらな1人の人として関わることを私は何よりも大切にしてきた。それは、自分の価値観に沿って子どもと関わり、同時に子どもの経験や価値観も尊重するということ。
正解はないからとても難しいし、自分の無力さを感じて悩むことも多かった。子どもの前で泣いてしまったこともある。
けれど、あの子たちと出逢ったからこそ、一生をかけて取り組みたい夢ができた。
私にとって子どもたちは、離れていても忘れることはない、心の中に生きる存在になった。
そんな子どもたちの近況が知りたくて、お菓子の差し入れを持って3ヶ月ぶりに居場所を訪れた。子ども達はまだ居場所に来ていない午後1番の時間だったけれど、スタッフさんから話を聞くとみんなそれなりに元気そうで、本当にほっとした。
私の知らないところで、あの子たちの人生は続いていくんだなあと思った。それと同時に、私の人生もどんどん進んでいく。
けれど、一緒に過ごした時間は消えることがないし、これからの私や子どもたちを作る一部になっていくんだろう。そう思うと寂しくないよ。
こうやって、たまには過去に会いに行って、今の自分に繋がる大切な経験を見つめ直したいと思う。
また、子どもたちに会いに行こう。
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