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真実と虚構の谷の合間


 世間は新型コロナウイルスで混乱の最中だ。

 感染者が出れば周囲は大騒ぎしてしまうが、マスコミも取材にやってくる。ワイドショーは悲惨な状況を映し、混乱を煽るだけの構成をひたすら流す。
 そして街からマスクや消毒薬が店頭から消えた。マスクを買い占めて高値で転売する人の多さには驚くばかりである。逆に自分の分が減るのを覚悟で、無料で分けてくれる優しい人もいる。

 こういう非常事態の時こそ、人間の本性が現れると、実によく言われる。自分が助かるためなら周囲はどうでもいいと思う人間、この状態を逆手にとって大儲けしようと詐欺を働こうとする者もいるだろう。そして本当かどうか確認せずにデマをばらまく人も。
こんな事態だからこそ、真実か虚構かを見極めなくてはならないのだが、なかなかそれを普段から実行できる人はそんなに多くないのだなあと改めて実感する。

 私のところにも、知人や親戚からいくつかLINEでコロナウイルスの予防について情報が来たりするのだが、大抵はネットに出回っていて拡散されているデマだった。24~26度のお湯を飲めばウイルスは消えます、など。他にも色々。

 その温度で死ぬのなら、感染した時点で消えるだろうし、高熱も出ないと思うのだが…どこからそんな話がでてきたのだろう??不思議でしょうがない。所謂フェイクニュースというやつだが、本当にこの手の話は非常事態に関係なく多い。拡散すればするほど混乱するだけなのだが、私にはさっぱりこれを最初に流した人間の思考が理解できない。

 私は学生時代、学校で感染症の歴史、病原体の種類、性質、そして感染症が蔓延しそうな時は国としてどういう対策を取るか、その法律など一通り勉強した経験がある。美容師の学校に通っていたからなのだが、美容師の仕事の知識としては必須なので、実技は不器用で成績は低かったが、消毒法の計算以外は学科が好きだった。

  実際感染症についての法律(正式名称:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)を読んでみると、びっくりするくらい細かい項目にわけられ、感染症が起きた時にどういう行動を取らねばならないかが記されている。
 ここまで細やかに法律として決められているのだから、もしも感染症の蔓延が起こった時の政府の対応はきっと頼もしく、淡々と実行されるものだろうというイメージを私は勝手に抱いていたのだが、実際は後手に回り、パンデミック寸前のような状態になっていて驚いている。
 もっと検査数を増やせ、と騒がれてるがひょっとして検査数を増やしたくてもできないのは、指定医療機関の病床数が少なくもし何千人という感染者が出た場合の時の状態を法律も想定していないのではないからではと、読んでいて感じた。
恐らく封じ込めがうまく出来ている前提の話なのだ、これは。

2/26 18:16追記:(コロナウイルスのPCR検査は、とても時間がかかる上に手作業というお話をTwitterで医師の方より聞きました。
機械でやるイメージでいただけに驚愕。)


 今の状態では、たとえオリンピックを強行開催したとしてもすでに警戒されている諸外国から顰蹙を買うどころか、とんでもない事になりそうである。開催国の単なる自己満足になりかねないので本当に慎重になってほしい。

 デマは今後も飛び交うだろうけど、こんな時だからこそ冷静でいたい。

そしてなるべく早く終息することを願いつつ。


 


 


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