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続・オフサイドトラップについて思うこと

こんにちは、こんばんは、印度孔雀です。久々の更新となり申し訳ないです。数学の追試に追いかけられていました···

さてさて、今年も天皇賞・秋が挙行されましたね。私は友人との外出があり、出先でラジオNIKKEIの実況を聴いていましたが、パンサラッサの爆逃げには驚かされましたね。10馬身以上も離していていると耳に入った時には、思わずサイレンススズカを思い出し、「故障しないでくれよ」と声が出てしまいました。

そして、最後の直線。このままスタコラサッサとパンサラッサが逃げ切るものかと思いましたが、ここで1番人気イクイノックスが猛追。さらにダノンベルーガも追い込んできて、結果はイクイノックスが差し切り勝ちを収め、パンサラッサはダノンベルーガをなんとか抑えて2着。その後ダノンベルーガ、ジャックドール、シャフリヤールと続きました。

このイクイノックスの鬼脚もとんでもなかったのですが、何よりパンサラッサの大逃げは、私も思ったように、多くの人にサイレンススズカの走りを思い出させました。何より、1000mの通過タイムはあの1998年の秋天と同じ57.4でしたから尚更です。そういうわけで、レース後にはTwitterでサイレンススズカがトレンド入りしました。たくさんの人が、あの日の「夢の続き」を見たわけです。

しかし、やはりこのパンサラッサの大逃げを捉えたイクイノックスもまた凄い馬です。ほぼサイレンススズカのような展開で、最後に捕らえきったこのイクイノックスの走り。これは、サイレンススズカの故障によって、3度の屈腱炎を乗り越えて手にした勝利を無きものにされたオフサイドトラップを思わぬ形で救済することとなりました(なお、私は本来なら新潟記念勝ちのカラテがオフサイドトラップポジになると思ってました···)。「やはりサイレンススズカの故障がなくても、オフサイドトラップが差し切っていた」。忘れられたあの時の勝ち馬の栄光が再考させられた瞬間でした。

ちなみに、オフサイドトラップは、この秋天の数日前からJRAの公式サイトで開催されていたサッカーのイニエスタ選手とのコラボゲームに登場し、「守護馬(ゴールキーパー)」となってPK対決をしていました。ここで取り上げられたことがとても嬉しかったのですが、その数日後に、オフサイドの栄光が認められる日が来るとは夢にも思いませんでした。

閑話休題。
以前のオフサイドトラップの記事でも書いたように、この馬の栄光は、サイレンススズカの故障という重大な事象の影に隠れてしまっています。しかし、そんな馬が再評価の機会を得ることができた今回のレース。当然、馬場の違いや、イクイノックスとオフサイドトラップの能力差については議論の余地があるでしょう。しかし、「秋天で」「1000mを57秒4のタイムで」「大逃げした馬」を差し切ったという事実は、やはり1998年の秋天で、サイレンススズカが故障せず走り続けた場合の展開予想において大きく影響を及ぼすと思います。その予想の一例「オフサイドトラップが最後の最後でサイレンススズカを差し切る」が、今回のレースで検証されたと言えるでしょう。

サイレンススズカが無事に走りきった場合、その走りを維持できたのか、あるいはバテて垂れてしまったか。それは誰にも分かりません。しかし、最後にオフサイドトラップがサイレンススズカを差し切る事ができる可能性が間接的に検証されたということは、これまでその勝利を散々蔑ろにされてきたオフサイドトラップにとっても大きな救いであったと思います。

また、当然、「オフサイドトラップなんかに差し切られるわけがないだろう」と考えるサイレンススズカのファンの方もいらっしゃるとは思います。しかし、「競馬に絶対はない」のです。サイレンススズカがこのレースを完走できなかったことがその事を証明しているはずです。オフサイドトラップの勝利の祝福を強制しようとは思いませんが、秋の盾の栄誉を3度の屈腱炎を乗り越えて掴んだ名馬のことも気にかけて発言していただきたい限りです。「たられば」は、勝者への最大限の侮辱だと、私は思います。


というわけで、今回の講釈は以上となります。いやまさか、オフサイドトラップが実際の競馬のレースで救済される時が来るとは思ってもいませんでした。もうその先日のJRAのゲームの時点でだいぶ興奮していましたから、今回のレースではもう脳が焼かれましたね。オフサイドトラップという、怪我に負けずに走り続けて栄冠を手にした名馬がいたことが、もっと世に広まってくれれば、これ以上嬉しいことはありません。

最後になりますが、今日は11月1日。オフサイドトラップがGⅠの栄誉を手にし、サイレンススズカがこの世から駆けていったその日です。というわけで、私がYouTubeのある動画のコメント欄に書き込んだ言葉で、今回の記事を締めさせて頂こうと思います。

「先頭の景色を見続けることなくターフに散った戦士に手を合わせるとともに、最後まで戦い抜いた老兵の勝利に心から拍手を送りたい。」

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