コンビニ店員だって人間なのだ

1年くらい勤めたコンビニを辞めることにした。
つい昨日、決心して店長に話をした。

コンビニを使ったことはあるだろうか。
全く使ったことが無いという人は、殆どいないと思う。
では、コンビニで働いたことはあるだろうか。
求人は多いし勤務時間に融通も効くので、結構いるだろうが
コンビニを使ったことがある人よりは少ないと思う。

コンビニというのは、立地にもよるだろうがいつもまあまあ忙しい。
やることや覚えること(品出し、レジ、フライヤー、ギフトカードの発行、宅急便、タバコetc...)は多いし、出勤時・ランチタイム・帰宅時など混む時間帯も多い。
なにより来店する客層が子どもからお年寄りまで多岐にわたる。

そして、そのお客さんから人間扱いされていないなと常々感じる。

タメ口、質問に対して無言(喋れない人は仕方がないが)
要望を伝える気があるのかどうかわからない早口・小声
昨今の情勢からは考えられないマスク未着用での来店、指舐め……
それらに対して正確かつ迅速に応えられないと
「早くしろ」と急かされ、舌打ちされ、時には罵倒される。

特に新型コロナウイルスの流行後は双方向のマスク着用と
レジ前に飛沫防止のシートが設置されて
店員の声が聞き取りづらいと言われている意見はよく見るが
その反対でお客さんからの声も聞き取りづらくなっているのですよ。
特にレジ袋が有料化してからは聞くことも増えてしまったために
何を聞いて何を聞いていないのかど忘れすることもあって
何度か聞き返すこともしばしばあるのですが
大抵のお客さんは普通にもう一度答えてくれるのです。
なんなら常連さんほど自分が店員側に知られていることを利用せず
自分がいつも買っているものをわかりやすい形で
毎回毎回快く教えてくれるのです。

ところが、昨日衝撃的な出来事がありました。
タバコを買いに来たお客さん(という言葉は使いたくないくらい立腹中)
番号と個数を言ってくれているのですが、さっぱりわからない。
辛うじて140番台のものを2個と言っているのが理解出来る程度。
3回聞き返して、145番を2個と言っていたのを理解し、レジを離れました。
当店舗はレジの後ろにフライヤーを揚げるスペースがあるのですが
同じ時間帯にシフトに入っていたバイトの子と知り合いらしく
私がレジを離れた途端、私の後ろに居たバイトの子に対して
こう言いました。

「あいつ(私のこと)、マジでつんぼ(※)だな」
※耳が聞こえない人を指す言葉、差別的表現

はあああああああああああああああああああ??!??!??!?!??!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!

いや…………一晩経ったけど……
はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!?!?!?!?!?!??!!??!?!?!?!!?

何度も聞き返しているのに
聞き取れない話し方を続けていたのはそっちですけど?!!?!??!

仮に、百歩譲って私の接客態度に問題があったとしても
そんな差別的な表現で侮蔑される謂れは全く無いし
差別的表現をしていい理由になんてなりませんからね???!?!??!
田舎の人間は意味もわからずこういう言葉を使うってわかっていても
差別的表現であることは事実だし、人を嘲っていることに変わりはないからね?!?!?!?!?!?!?!?

本当に、悲しいとか傷ついたとかっていう感情よりも
猛烈に腹が立って仕方がなくて
「今なんて言った?」って、それこそ何度でも聞き返したかった。
けれど早朝勤務の時間帯は責任者が居なくてバイトだけで回している時間。
お客さんとトラブルを起こして責任者を出せと言われても無理なのだ。
だから私はぐっと我慢してタバコを売った。
それと同時に「こんなところ辞めてやる」と決意した。

こんな屈辱的なことを言われてまで続ける仕事ではない。

接客業をやっていて、こんなお客さんになりたいと思う人は何人もいるが
こんなお客さんには絶対になりたくないと思う人の方が圧倒的に多い。
接客の現場は反面教師の宝庫ではある。

コンビニ店員だって人間だ。
マルチタスクできる要領にも個人差があるし、それ以外の能力だって同じ。
そしてその時間に働いている我々がいるからこそお店は回っている。
もちろん来店してくれているお客さんがいるから給料がもらえるのだが
だからといってお客様は神様でもなんでも無い。
差別的表現で、一個人を侮蔑できる権利なんて誰にも無い。
気持ちよく買い物をしたいのなら、努力する必要は客側にだってある。

そして、コンビニ店員だって人間だから
私は私の心を守るために、そんなことを言う客が来るお店は辞める。
様々な理由で同じような時期に複数名が辞めてお店が大変だろうと
自分のことを守れるのは最終的には自分だけなのだ。

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