絵柄ばっか気にしてても古さは改善しない
こんにちわ。ほしよだか(45)です。描いた漫画をどうしたら良いか迷ってる人へデジ同人の良さを伝えたい同人漫画屋です。
僕が同人誌を作りたいと思って漫画を練習しだしたのが既に39歳の時。おっせ。初めての同人誌をリリースした時にはなんと44歳になっていました。しかも不勉強で情報のインプットが少ないダメなタイプです。
当たり前ですが誰が見ても古臭い作風で、アウトプットを続けるうちに改善していけたらそれで良いと、完成を最優先に続けて今に至ります。
今日は画風の古さとその改善に向けて考えている事を書きます。全然成し遂げていないので僕の進捗だと思っていただければと思います。
画風が如実に表れるのはやっぱりコマからコマへ描き飛ばす本文よりじっくり一枚と向き合う表紙だろうと思う。
最近新刊のために表紙を描いた。僕が青春時代を送った90年代風のにおいがプンプンする出来だ。
まずは色について。
色の選び方
最近の画風は色使いがさわやかだよね。それが例えどぎつい内容のエロ本だったとしても色は薄めでしかもちゃんとエロい。色の勉強をきちっと履修してる感じ。僕はそれが出来ていない昔の色選びだ。
光と影の表現
塗り方もトレンドとしては写真っぽさがある。リアルかそうでないかの話ではなくて、カメラで撮ったら明るいところは飛んだり、陰になってるところはバシッと暗くなって見えない、それを絵で表現するのが今風な気がする。かっこいいよね。
これには思い切りが必要で、ここは影だから暗く塗りつぶす、ここは影かもしれないけど必要だから線画を残す、的な大胆な取捨選択とセンスが要求される。それが出来ていない。
改善に向けて
最初はハウツー本を開いたわけだが、もう1ページ目から何書いてあるのかわからない体たらくで、色塗りって本当に難しい事なんだと恐れおののき、そっとふたをした。モノクロ漫画と比べるとまだ改善に着手していない事が多い。
現在僕は本文のモノクロ原稿の陰影をトーンではなくグレースケールで処理しており、それと全く同じ文法でカラーも塗っています。多分邪道も邪道だと思うけど、過去の記事で主張してきた通り、わからないことで足踏みする時間が長期間になるよりは、とりあえず完成させてから考えたほうが良いと判断している状態。
その上で数少ないカラー絵を描く機会に、少しづつ色相についてググったり(できてないけど)、写真の陰影を参考に暗いところは大胆に影にしたり(できてないけど)しています。そのうちまともになっていく予定です。
次は線画。線画は描く機会が多く、変更すべきは変更してきた部分もある。
顔のパーツを再構築
パッと見で印象に残りやすいのは顔だと思うが、目、鼻、口などは、僕の高年齢もあり、完全に表現が昔のそれだった。これを再構築するために、実物に寄せるところから始めた。まぶたってこういう仕組みになってるんだ、とか、鼻って出っ張る前に一回ひっこんでんな、とか。
いつもの体形以外のキャラも出す
それまでデフォルトで描いていたやせ型の体系ばかりで構成しない。これは古臭い絵の改善とは直接関係はないが、結果として筋肉質を良く描くようになった事でその位置や、手足をこっちに曲げたらこの筋肉がこっち側に寄る、的な「人体の仕組みが割と正確」という最近のトレンドに少し近づけたのではないかと思っている。
人体や小物を想像で描かない
デフォルメの話ではなく、手癖の話だ。デフォルメは共通認識を得られやすい、つまり「正確な描写が出来る前提での省略」である一方、手癖は独りよがりになりやすい、つまり「個人的な思い込みで固定化したその人にしか通用しない描き方」だと思う。
これをなくすために、ペン一本でもとりあえず実物や資料を見て描いたり、このくらい描けよというものも素材があればそれを買って使った。素材を買うのは技術は身につかないが、今回は作風を刷新するためのハナシだからね。
変わる絵柄、変わらない古さ
絵はそれなりに変わったと思う。でもパッと見た時の古臭い感じは拭えていないと思う。試しやすい部分は大体試した今、考えている作戦はこうだ。
細かい部分にとらわれ過ぎていたんじゃないか。目とかペンタッチとかそんなことよりもっと何かないか。
改めて考えて、とりあえず僕の主戦場であるDLsiteで無作為に10本程度ほかの方の作品を買ってみる。そして絵柄は置いといて僕の漫画との違いがどこかを考えながら読んでみて見えてきたこと。
紙の呪縛
まず気づいたのがコマ数だ。最近のデジ同人はページ当たりのコマが少ない。絵が大きくダイナミックだ。よく考えればそりゃそうだ。ページ数の縛りないんだから。その上ほとんどの人がスマホのあの小さな画面で読むんだから。
僕は子供時代に描いていた紙に印刷する前提のしきたりに無意識に縛られていて、他人の漫画との違いに気づいていなかった。
ページの右側は左に、左側は右に余白を設けるクセも今となっては無意味だ。綴じないんだから。
漫符やオノマトペ
絵の描き方にばかり気を取られて漫符(流線とかビックリマークとか)やオノマトペ(ドカーン等の擬音とか)に全く気を払っていなかった。
最近の漫画は使用頻度を抑えたものが多いが、エロ漫画はまた文法が違ってまだまだ多用傾向だ。でも昔とは使い所、使い方が異なっている気がする。まだ具体的にはつかめていないが僕の使い方は古そうだ。
「絵が絵が」言っててもしょうがない
絵は描いていれば無限におかしなところに気づくので、今の状態で固定する気はないが、いちいち古さを気にするのは一旦お休みして、ページ単位の構成を気にしながら次作の製作に入ろうと思う。
僕の活動するBLエロ漫画は、画風の古さには割と寛容なジャンルだと感じてはいるが、時代遅れよりはそうではないほうが良いに決まっている。
でも絵柄ばかり気にしていても古臭さは一向に直らないのもわかったのでこの気づきを共有したいと思う。
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