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Incubate School 【ピッチブック編】潜入ノート!


こんにちは❣️インキュベイトキャンプ運営事務局です。

今日は、先日のnoteでも共有させて頂いたIncubate Campへの参加に興味がある起業家の皆さま向けの勉強会「Incubate School」について、具体的にどの様な内容がレクチャーされるのか、一部お試しでご紹介したいと思います。

講師は、インキュベイトファンドのアソシエイトであり、今年のIncubate Camp主担当の日下部 竜さんです🐲

それでは早速、本編に移りたいと思います。
スクールピッチブック編のアジェンダは下記の通り、大きく分けると
・エクイティファイナンスの概論
・ピッチブック
(+・事業計画)

という構成になっていました。

それではまずピッチブック作成を始める前によくある質問です❗️

Section 1.ピッチブック作成を始める前に 

Q.いつから資金調達活動を始めるべきか?
・次の成長を目指すタイミング
・残キャッシュが心許ないタイミング
が適切です。早い場合、資金調達は1〜2ヶ月で決まる事もありますが、長いと半年から一年以上かかることもあり、事業面の生産性を下げるので正しいタイミングで集中して行う事を強くお勧めします✨

Q.いくら調達する必要があるのか。
・次回のファイナンスまでに必要なトラクション・実績を残すための金額。
必要なトラクション、実績を作るまでにいくらの支出が必要なのかを計算し、必要な金額を算出する為には事業計画の作成が不可欠です。その為、事業計画とピッチは切っても切り離せないものであり、セットであると考えた方が良さそうですね。

Q.資金調達の方法は?
大きく分けて、下記の2種類があり、その特性は全然異なります。
・エクイティファイナンス(出資):株式を渡し、いわゆるVCなどから調達すること。この場合投資家が期待しているのは、アップサイド。
・デットファイナンス(融資):お金を借りて、元本プラス利子を後日払う。投資する側の懸念は、お金を回収できるビジネスになっているのか、ダウンサイド。
→エクイティファイナンスをする際には、成長性、アップサイドをピッチブックで表現する事が大事です。その為、大きい成長を急速に望むのか、もしくは着実に事業を伸ばし進んでいきたいのか、創業者は自分がどちらにあてはまるのかをよく考える必要があります。

Q.エクイティファイナンス実現のために必要なものは?
・①ピッチブック/説明資料(ppt)
・②事業計画(xls)
・③会社関連書類(定款、登記簿、試算表、資本政策表、株主名簿などなど…。)

今回の勉強会では、主に①のピッチブックを扱い、②事業計画にも軽くふれさせていただきました。

Section 2.エクイティファイナンスの本質

Section2では、ベンチャーキャピタルビジネスの仕組みを理解する事で、エグジットによるキャピタルゲインで、限られた期限内に資金を回収する必要がある、という事実を解説しました。IPOとM&A、株式譲渡など、エグジットの様々な方法、各ステージ・上場時のVCが求めるエグジットバリュエーションの基準などについても、簡単に説明させていただきました。

※この辺りは、ピッチブック作成に関する話ではありませんが、そもそもスタートアップにチャレンジする上で、外部から資金調達をすると決めた時に必ず知っておくべき全体像について学ぶ事が出来るとても重要なポイントだと思います。

続きまして本日のメイン、ピッチブックに移りますー🎉

Section3.ピッチブック

キャピタリストによって聞いてくる質問や重視するポイントは様々であり、異なりますが、日下部さんがまとめてくれた重要な質問は下記にまります!

そして、上記を具体的にどういうスライドに落とし込むのか、その表現の仕方についても、勉強会では詳細に解説をさせていただきました。

・ニーズ
ニーズがあるかどうかを答えることはもっとも重要で、ここを証明出来ないと議論が次に進みにくくなります。ニーズを証明する方法はトラクションを示す他、潜在顧客層へのヒアリング、原体験に基づくインサイトなどを丁寧に補強していくなどの方法があります。
・ビジネスモデル
どのようにお金が流れるのか。あまり論点になりにくいけど必ず答える必要がある質問です。関連するステークホルダー・主体が誰かを明確に、お金の流れがどうなっているかを明確にする事が重要です。
・マーケット
市場規模がどのくらいで、市場の成長率、追い風があるのかという質問はよく聞かれます。「この市場規模小さくない?」と言われること、良くあるかもしれません。

このように事業規模が拡大していく絵を示せると、仮に最初にトライする市場規模が小さかったとしても納得してくれる可能性が大きくなります。

・TAM (Total Addressable Market)
対象マーケット規模の中で実際にリーチ可能な最大規模。
・SAM(Serviceable Available Market)
TAMの中で特にターゲットとしている顧客セグメントの需要を示す。
・SOM(Serviceable Obtainable Market)
SOMは実際に自社が獲得出来るSAMの部分。SOMは短期的な売り上げの目標であり、重要な指標です。

Tipsとしては、SOM→ SAM→TAMで市場規模の拡大を示すこと。対象市場の成長率が出ているとなお良いです。ただしSOMが足がかりになってSAMにアクセスできるというロジックでないと、SOMの意味がなくなるので要注意。(全く別の市場が2つあったら、SOMが二つあるだけになります。)
SOMでとったパイがレバレッジになってSAMを取りにいける、という話ですと非常に説得力が増します💪
④競合優位性
他の会社になぜ勝てるのか、他の会社がいなくても何故勝てるのか。丁寧に説明する必要。よくある議論として、低価格を競合優位性に掲げるケースがありますが、それだとあまり優位な差になりにくいとのこと。価格は下げようと思えばいくらでも下げられるので、これに答える為にはどうやったら勝てるかという事を理解した上で、勝てる為のポイントを我々が持っています、という論法で説明するといいとのことです!
⑤チーム
重要視するVCが多いし、日下部さんも重要だと考えているポイント。一方で、補強しにくいところです。アピールできる場合しっかりアピールし、アピール出来ないとしたら、どうやってリカバリーできるかを見せられると良いでしょう。
成長戦略
より解像度をあげた上で議論する為に、成長戦略の質問が出ることがあります。足元についてKPIを上げるための施策や材料を示すこと、将来についてターゲットとなる可能性のある潜在顧客を明確にすることが求められます。

ちなみにセコイアのテンプレートは参考になり、IF社内でも参考にして独自のテンプレートを作っているので、ご一読あれ!
セコイアのPitch テンプレート

事業計画の詳細は本noteでは割愛します。事業計画の作成方法について、アドバイスが欲しい方は、是非下記のリンクからお気軽にエントリー頂き、日下部さんやインキュベイトファンドのメンバーとの1on1でみっちり聞いてみてください。
>>Incubate Campへエントリー<<

会場で出てきた質問

当日会場では、この様な様々な質問が出てきました。

Q. エンタメのような、なくても困らないものはどのようにニーズを検証すれば良いですか?
Q. 希望している調達額の根拠を示す必要はないですか?
Q.シード期だと、優位性とチームがイコールになってしまうケースがあると思います。この場合でも分ける必要がありますか?
Q.市場の成長率は何%以上を投資の目安にしていますか?
Q. シードラウンドVCの判断軸は?
Q. 事業計画は月次がいいですが、年次がいいですか?
Q. キャッシュフローではなくてPLでいいんですか?

このような疑問をお持ちの方は、是非次回のインキュベイトスクールにご参加ください✨
残りの日程は下記になります👇👇

【後編】VC資金調達のためのピッチブック入門編
 日時:6/13(木)19:30〜21:30
 申込:https://incubatefund.connpass.com/event/131114/
◼第4期(Venture Cafe Tokyo@虎ノ門 開催)
【前編】VC資金調達のための基礎編
 日時:7/11(木)17:00〜18:00
 申込:https://incubatefund.connpass.com/event/135384/
【後編】VC資金調達のためのピッチブック入門編
 日時:7/18(木)17:00〜18:00
 申込:https://incubatefund.connpass.com/event/135385/

>>Incubate School への参加申し込みはconnpassから<<

以上、インキュベイトスクールの簡単なご紹介でした。次回以降は
・歴代IC参加キャピタリストのインタビュー
・歴代IC参加者からの感想コメント
・起業家に役立つ情報
など、引き続き発信していきたいと思います💝

是非フォローいただけると嬉しいです。