虫は平気だけど、力持ちだけど、強い女な訳じゃない。

わたしは田舎育ち。
子供の頃から家の回りには空き地が広がり、男女関係なく一緒に虫を捕まえて遊んでいた。

そのため、今でも虫は平気。
職場では換気のため、定期的に窓を開けるのだが、その時に虫が入ってくることがある。
女性の多いわたしの職場。
虫が苦手な人ばかりで、みんな悲鳴を上げて逃げ回る。
自然に虫を捕まえるのは男性陣かわたしの役目になってくる。
わたしはムカデでも捕まえられる(もちろん、素手ではない)ため、男性陣もなんとなくわたしの場合は任せておいても大丈夫、みたいな感じになる。

そして、わたしは力もある。
他の女性なら、持ち上がらないか、やっとこさ持ち上げるようなものでも、ひょいと持ててしまう。
他の人だといそいで駆け寄ってくる男性陣も、わたしだと安心して見ている節がある。

虫が平気なことも、力があることも事実だから、そこのところを隠そうとはわたしは思わない。
だけど、たくましいのと心が強いのとはちがう。
わたしは自分のことをたくましいとは思うけれど、精神的に強いとは思っていない。
理不尽なことを言われたり、陰口を叩かれたりすれば普通に傷つくし、落ち込む。
でも、周囲はたくましい=強い女性、と思っている節がある。
理不尽な扱いを受けているのを見ていても、そのままスルーされることが多かった。

でも、人事異動があってから、ちゃんと見ていて、あとでフォローしてくれる人が現れた。
初めてフォローされたとき、今まで封じ込めていた自分の悲しみに気付いてしまった。
本当は傷ついていたことに気がつかないふりをしていたことに。
そして、ちゃんと見ていてくれる人の存在が、フォローしてくれる気持ちがこんなにありがたいことに。

だから、今は心にゆとりができてきた。
わたしも、ちゃんと回りを見て、フォローできるようになりたい。
今までは、自分を保つのに精一杯でそんな余裕はなかったから。
もらった幸せを、今度は誰かにわけたい。
今はそんな気持ちでいる。





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