従兄弟が可愛すぎて辛い。
みんな聞いてくれ。
私の従兄弟は本当にかわいいんだ。
18歳で身長185もあるのに、よわっちくて可愛いんだ。
大学2日で退学して何十万と金を無駄にして帰ってきたボンボン根性だけど可愛いんだ。
かわいすぎて、目に入れてぐりぐりしても痛くないくらいかわいいんだ。
今日従兄弟の家に行って、二人で進路の話をした。
ああだこうだ言いながら、一緒に代ゼミデータリサーチやら、東進の大学受験ハンドブックをめくり、大学図鑑を見ながら笑った。
自分がど文系の人間だから、ど理系の従兄弟がどこでときめくのかよくわからなくて、見てて面白かった。
「こんな大学あるねんな」
「真のボンボンは慶応に行くらしいぞ。行けよ。」
「いや、無理だわ。」
「いけるいける、ワンチャンあるって。」
「インク姉さん適当に言ってるでしょ、今」
「半分適当で半分ガチだね。」
「いや。半分適当に僕の進路決めんといてや。」
配点や、科目や、センター模試のグラフをたどりながら、そんな風に話すのはまるで高校三年生に戻ったようで懐かしくておかしかった。
おばさんと話してたら、私の服を引っ張って、
「一緒に餃子焼こうよー」
といってきたときは可愛すぎて泣きそうになった。
だってさ、私の弟もこの従兄弟と同い年なんだけど、私が視界に入ると「よるなデブ。でぶがうつる。」とプレ4しながら言い放つからね。あいつ。
何だろうなあ、距離があるからかわいいのかなあ。
兄弟じゃないから、あんな風に姉さん姉さん慕ってくれるのかなあ。
ああ、あんな弟が欲しかったなあ!!!!
試しに弟に電話かけたら、
「電波を無駄にしてんじゃねーよ。帰れ。僕アマプラ見てる最中だから。邪魔」
とガチャ切りされた。
かまってよおおおおおおおおおおおお!
就活が終わって暇すぎて、かまってくれる人がいない私はとにかく寂しくて常にこんな感じだ。
浪人を決めた従兄弟くんに何かをあげたかったけど、空前絶後の金欠の私はあげるものが全くなくて。
中国で買った大量の万年筆があったので、これをあげることにした。
「おらよ、これなこの万年筆のインクを朝入れて、夜までに使い切るくらいたくさん計算して、勉強するんだぞ。中国の高校生はそういう風にするらしいぞ。私もがんばるからさ。」
「インク姉さんも持ってんの?」
「おう。もってるぞ。私もそれ使って勉強してる」
「じゃあ、インク姉さんのちょうだい」
「おう。」
かわいい!
本当に、かわいい!
うちの子になりなよ!!
「お前は本当にかわいいなあ!
もし大学入れなかったら養ってやるぞ!」
「え、マジで。じゃあ受験やめるわ」
「ええ…」
そんな風に話しながら勉強の計画を一緒に立てて。
明日から予備校が始まる。
久しぶりに受験生の熱量に触れて自分も熱くなったから今日は私も頑張って勉強してしまった。
頑張れ頑張れ、いけいけ私の従兄弟くん!
ぼーいずびーあんびしゃす。
彼の今年の目標はもちろん一流大学合格。
そして、私の目標は、もう少し、もうほんの少し弟と仲良くなる…こと…です。
せめてゴミから犬扱いくらいには今年中に上げていきたいね!