JC2023東京大会1に出ようとした話 〜 ZEROシャーシのことは嫌いになっても、ミニ四駆のことは嫌いにならないで。

はじめに

 7/23(日)に開催された、ミニ四駆 ジャパンカップ2023 東京大会1 オープンクラスに出場しようとしたらモーター2つを焼死させた上にターミナル折って、2千円のアクエリアスを飲んで帰ってきた。

出場マシン諸元

ZEROシャーシ搭載マシン

 TZ-Xシャーシがラインナップから完全に消滅した以上、次のシャーシを模索していたときに、たまたまホームコースで目にとまったグレートエンペラーの復刻キットに付属するZEROシャーシに目をつけた。いわゆる旧規格のシャーシで、軽量コンパクトを意識してか、サイドガードすらなく、シャーシ側面には肉抜きのスリットが設けられており、非常によくしなるシャーシであったため、ジャパンカップをはじめ、今年度のシーズンを戦うマシンに選んだ。
 最初は、そのしなやかさを活かすために、ATやアンカーを搭載しない方針だったが、やはり現代のミニ四駆シーンにおいて、コースへの復帰能力、レース継戦能力は必要不可欠という判断から、前後とも1軸アンカーを採用した。可動域を大きく取る意味合いもあるが、作るのが簡単だからというのも大きい。
 また、ジャパンカップ2023の目玉セクションでもある、カルーセルチェンジャー対策として、フロントにはピボットバンパーを採用した。スライドダンパーでもよかったのだが、アンカーやATとの干渉を避けられなかったため、アンカーへの搭載が容易なピボットを採用した。
 タイヤは前後ともローフリクション、23mm径面タイヤ。ホイールは蛍光グリーンの12本スポークを逆履きしている。リブのカットはホイールの剛性や真円度確保の観点から行っていない。先日、長年連れ添ったプロクソンの大出力リューターが焼損してしまったため、タイヤを加工することができず、この23mmのローフリクションタイヤと縮みのスーパーハードが虎の子のタイヤとなる。
 ギヤ比はタミヤのミニ四駆公認競技会規則に則り、現行で手に入る中で最もスピードの出る4:1を当初は採用していたが、運良く旧規格の3.5:1が手に入ったので、当日はそれを採用した。まあ、一度も火が入ることなく部品入れ送りになってしまったのだが……

当日、何が起きたのか

 正直、わからん。お目当てのネオVQSのポリカボディを手に入れ、ほっくほくで出走の準備をしているとき、それは起きた。
 当日、わたしは3セット6本のNiMH電池を持ち込んでいた。うち1セットを使って試運転を行おうとスイッチを入れたところ、モーターは始動せず、エンドベル側から白煙が立ち上った。すぐさま電源を切り、電池を抜き、ボディを外しての総点検が始まった。スイッチを入れていたのは数秒〜十数秒だと思うが、モーターもバッテリーも明らかな発熱が見られた。接触不良か、短絡か。Bグループ受付開始まで10分。とにかく走らせなければ、となけなしの金で買った開けポンのスプリントダッシュを突っ込んで再始動を試みるも、やはりモーターと電池が異常に発熱し、モーターから白煙と異臭が漂った。
 Bグループの出走が始まって、いよいよ待ったなしになってきたところで、スイッチ側のターミナルが接触していないように見えることに気付いた。原因はここかもしれない。すでに冷静な判断力を失ったわたしは、替えも持ってきていないターミナルを曲げ直して導通させることを試みた。少し曲げてはシャーシにはめ、スイッチを入れるのを何度か繰り返すうち、「ペキンッ」という音とともに、ターミナルが折れた。わたしの心も折れた。MCガッツの軽快な実況とトークが、どこか遥かに遠くの方で聞こえているように感じた。
 しばらくその場にへたり込んだまま、動くこともできずにいたが、ここにいても仕方ない、と重い腰を上げて帰路についた。途中、新橋で降りて、プラモデルファクトリーに寄り、ジルボルフのボディパーツを購入して帰った。今年、一番長い夏の日となった。

今後について

 モーター焼き殺すマンとなったZEROシャーシは、現在部品取りを行ったので、走行することはできない。スイッチを入れても始動せず、発煙した理由は未だ不明だ。ターミナルを交換しても、うんともすんとも言わない。ひとつ思い当たるのは、パーツクリーナーで最初に発煙したモーターを洗浄していること、またその後に接点復活剤を吹いていることだろうか。漏れ出した接点復活剤がターミナルやAパーツに付着して短絡したのではないだろうか。
 ZEROシャーシは当然、現行のラインナップにはなく、グレートエンペラーなどのごく一部の復刻版キットに付属するのみである。ターミナルなどもその復刻版キットを購入するか、プラモデルファクトリーまで出向かないと手に入らない(在庫が毎回あるとも限らない)。ホームコースのミニ四駆有識者から「マシン1台分の予備部品を持ち歩くのが当たり前」という言葉の意味を痛感している。もしかしたら走れていたかもしれないレースを、たかが電極ひとつ持ち歩かなかっただけですべてをパーにしてしまった。今後ZEROシャーシを走らせるかはわからない。すでに次のジャパンカップやステーションチャレンジ、コジマ主催レースなどにむけて、FM-Aマシンを組んでおり、完成も間近である。実車系ボディを乗せるならFMだろう。しかし、他人と違うことをやることに生き甲斐を感じる逆張りのオタクとしては、やはり現行シャーシではなく、あえて旧規格のシャーシで走りたい。折を見てZEROシャーシマシンを復活させるかもしれない。今後のレーシングプロジェクトフーリエの活躍にご期待ください。

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