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アクセシブルツーリズムで更なる観光業の発展を目指そう!

訪日外国人旅行者が右肩上がりに伸び、勢いを増しこれから各地が観光地としての本質を世界に映し出していくであろう時期に突入したころ、新型コロナウイルスにその明かりを遮られてしまいました。

しかし、この1年半の間、海外旅行はおろか国内旅行もままならない状況下において、収束後の観光地としての対応、各地の特産や銘品などを懸命に世界に発信してきたのではないかと思います。

更にその魅力が幅広く伝えるためにはどうしたら良いのか考察していきます。


◇◆不便や不安を考える

日本はとても便利で清潔で安心安全な国として外国に認知されていますが、やはり不安な事はまだあります。

例えば以下3点

・ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)

身体が不自由な方でも円滑に旅行ができるそんな旅行または環境や施設

・LGBTQ+

レズビアン、ゲイ、両性愛、トランスジェンダー、クエスチョニングの理解

・食事

ベジタリアン、ビーガン、宗教等に応じた食事の理解や提供

など。

まだまだ様々なものがあるかと思いますが、今回は、上記に挙げたユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)について考えていきたいと思います。


◇◆ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)利用者の増加

インバウンド観光(訪日外国人旅行者)の増加により、近年ではユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)希望者が国内だけにとどまらず海外からも増加傾向にあります。

訪日旅行のプロモーションが世界に広まり、「日本へ行きたい!」と思っていただける方が増えたことで、お問い合わせが増加したのだと考えられます。 

実際に、近年のバリアフリー設備環境が整った施設が増えた日本ではそういった方々の旅行が国籍問わず以前よりしやすくなったと言えます。

また、ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)においては、東京都の重点施策として以下のプランにも継続的に掲げられています。

参照:PRIME 観光都市・東京 ~ 東京都観光産業振興実行プラン 2018 ~

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/02/02/documents/06_02.pdf

しかしながら、駅構内や空港、またはショッピングセンターなどの大型施設ではよく見られるバリアフリー設備ですが、日本では、人が手伝うことを前提とされた「対処型バリアフリー」が多い中、自立している外国人旅行者は自助できるツールや環境、設備を必要としていることもあります。

実際に利用される方には事前にどういったバリアフリー設備であるのか理解してもらう必要があります。

参照:訪日外国人旅行者向けユニバーサルツーリズム情報発信事業 平成27年度 観光庁

また、実際に日本のバリアフリー環境やサービスは受け入れ態勢が進み、整備されているにも関わらず情報の発信が行き届いておらず利用希望者にとって知る術も少ないといった状況にあります。

バリアフリー新法が2006年12月に施行され15年を迎えようとしていますが、旅行や観光でのユニバーサルツーリズムはまだまだといった状況かと思います。

このコロナ禍のうちに国籍問わず上手に情報発信していくことが重要と思われます。

参照:バリアフリー旅行の意向調査、「足腰が不自由でも旅行に行きたい」が9割以上、心配点は観光地・滞在先の情報不足 ―リクルート調査

◇◆情報発信の方法

筆者が考える情報発信方法ですが、これまでのプロモーションに携わってきた経験からお話しすると、今までの情報発信でユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)について触れているような内容はほとんどありませんでした。

現状としては、コロナ禍ということもあり、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に行っているというアナウンス画像や動画、さらに文言を強調して情報発信することが多いのです。もちろんそれは非常に大切であり、必要な情報として発信するべきものですから決して間違いではありません。

今後は、そういった情報発信や観光情報に対して、自然な流れでユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)についてもご案内する機会を増やすことがベストではないでしょうか。

実際にYouTubeにてユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)について検索してみた結果、日本から外国に向けてアプローチしているものは非常に少なく感じました。

また、国内向けに配信されているものでもせっかく見に来てくれた閲覧者からの貴重な意見をもらえるはずのコメントがオフになっているものもあり、非常に残念に感じました。

せっかく制作した動画のコメントオフは今後のブラッシュアップの機会を逃していることになるので必ずオンにしておきましょう。オフにしているだけで、閲覧者としてはその情報提供元に不安を感じます。

参考として、以下のブラインドの方を対象としたインドのホテルのご案内動画をご覧いただきたいと思います。映像だけでも理解できると思います。

いかがでしたでしょうか?

例えばYouTubeを利用した際の情報発信のフィードバックにはどのようなものが考えられるのでしょうか?いくつか例を挙げてみます。

例1:通常のフォロワー

「私のおばあちゃんは、身体が不自由だからもう遠くに旅行は行けないと諦めていたなぁ~、でもこんなに設備がそろっていれば安心かもしれない。」

または、

「旅行がしたいのは身体が不自由な人だって同じなんだ。考えさせれるな~」

>>>身近な当事者や可能性について考えることができます。

例2:動画閲覧者自身が当事者の場合

「旅行に行きたいとずっと思っていたけど、自分一人でも旅行ができるツールが多いなら行きたいな、それに友達や家族と一緒に旅行を楽しみたい、情報提供元に感謝するよ。」

>>>自身の夢や目標を現実にすることができます。

例3:動画閲覧者が同じく観光従事者の場合

「なるほど、こんなふうにユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)を取り入れていけばよいのか。私たちも早速検討しよう」

>>>おもてなしの真価を知ることができます。

例4:動画閲覧者が旅行会社の場合

「これだけ環境が整っているならばもっと自由に楽しんで旅行してもらえるかもしれない。ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)のツアーをもっと造成してみよう!」

>>>旅行会社としてお客様に提供する喜びをカタチにすることができます。

勿論、フィードバックはこれだけでは終わらず様々な意見や考えがでてくると思いますが、いずれにせよ前進するために重要であることを忘れないでください。

実際、筆者としては「例:4」の考えに至ること間違いなしです。

◇◆まとめ

 今回はユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)についてお話しましたが、他にも多くの課題が日本にはあると思います。

どれも基本的には国籍は問わず、当事者が存在することです。

そんな課題について、『もし、自分が〇〇だったら・・・・』 

どのような旅が理想かを想像し、何が必要か、どのような事が喜ばれるのか、不安に思うことは何か、不便に感じることは何か?

旅行では予期せぬこともあるため、多くの可能性を探っていく必要があるかもしれません。しかし、SNSのコメント欄やフォロワー、またはウェブサイトの訪問者とのコミュニケーションを行うことによって多くのことを知ることができます。

相手の立場になって考える、なんでも、”自分ゴト”として捉え誰かの気持ちになってみるということは、旅行に限らず日常でも同じですが、ここには非常に大きなチャンスが隠れていることが多いのです。

ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)は身体の不自由な方だけでなく、全ての人が快適に楽しく過ごせるよう心の段差さえもとっぱらうような旅のカタチが実現できるものだと思います。

筆者としても世界中の皆さんに日本の優しさが伝わるお手伝いができればと思っています。

ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
コラム元:海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE』
https://www.jointone.biz/hanginthere-jpn-20210526/

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