インベカヲリ★

1980年、東京都生まれ。写真家、ノンフィクションライター。写真集に『やっぱ月帰るわ、…

インベカヲリ★

1980年、東京都生まれ。写真家、ノンフィクションライター。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間①②③』、著書に『ノーモア立川明日香』(共著)、『のらねこ風俗嬢-なぜ彼女は旅して全国の風俗店で働くのか?』など。@kaworikawori

最近の記事

おしらせ

 昨年の5月から始めたこの連載ですが、とうとう書籍化されることになりました。大幅に加筆&修正をして本にします。  これでこの連載はおしまいにして、今月いっぱいで第1回~第3回を残して非公開になります。  まだ決まってないことばかりなので、詳しいことはまた今度。  お楽しみに!

    • 第3回 コンクリートの上のシロクマ

       油断すると、人はついつい「理想の猫」に擬態してしまうものなのか。  先日、私の写真展に、前に一度撮影したことのあるアッコちゃんが遊びに来てくれて、一緒にご飯を食べることになった。四国出身のアッコちゃんは、国立大学を卒業後に上京し、5年ほど一人暮らしをしている。何度かお茶したり、部屋に遊びに行ったりしているけれど、会うたび違う悩みを抱えていて、人間関係もめまぐるしく変化している。前回会ったときは、警察署にストーカー被害の相談をしていて、生活安全課で朝まで恋愛相談に乗ってもら

      • 第2回 理想の猫とは

         去年末に私は、『理想の猫じゃない』というタイトルの写真集を出版した。このタイトルは、ある事件の犯人のセリフから取ったものだ。その意味は写真集のあとがきにも書いたけれど、今回は別の視点からこの事件について私が感じたことを書いてみたい。  2017年10月、北九州で当時高校の臨時教職員をしていた男が飼い猫を次々に殺し、燃えるゴミとして捨てていたため動物愛護法違反容疑で書類送検された。犯行動機について男は「理想の猫じゃないから殺した」と主張、「呼んだらすぐにやってきて、体を触ら

        • 第1回 はじめに

           なぜ多くの女性はこれほどまでに偽りの姿で生きているのだろう。いろんな女性から話を聞く中で、そう思うことがよくある。いかにも普通を装って、あるいは違う自分をつくり、本来のパーソナリティを隠している。でも考えてみれば、私も昔はそうだった。だから今こうして写真を撮っているのだろう。そんなことをテーマに書いていこうと思う。このnoteは「よみもの.com」との連携で、いずれ単行本にまとめる予定だ。  私は写真家で、一般の女性を被写体にポートレートを撮っている。ほかの写真家との違い