群衆

「人に興味を持つ」というスキル

仕事やビジネスの世界で求められるスキルは、多種多様に存在する。

ロジカルシンキングやフレームワーク思考といったビジネススキルや、ラポール形成や傾聴、コーチングなどのヒューマンスキル、データ分析やドキュメント作成といったITスキルなど、挙げるとキリがない。

だけど、こういった実務に直結するスキル以前に、
最も大切なスキルがあると僕は考える。


それは、「人に興味を持つ」というスキルだ。


敢えて“スキル”という言い方をする。

「コミュニケーション能力」や「対人関係能力」などとは言わず、
敢えて“人に興味を持つ”スキルと言う。


ここで言う「人に興味を持つ」とは、主に“気付き”を表している。

その人の変化に気付いたり、状態を意識したり、違いを感じたりと、
思考を自己内だけに留めず、他者も含めた全体を認識することが、
実はとても大事なことだったりする。

一昔前に言われた(もう死語であろう‥)“KY”(空気が読めない)のように、
『気付かない」ということは、ビジネス上でもとても不利なことだと思う。


例えば、「上司が緊急対応で忙しくしている中で、『すいませ〜ん』と自分の相談事を平気でする部下」、「離席中の隣の人の電話が鳴っているのに気付かず、黙々と作業を進める人」など、皆さんの職場でも日常のシーンとして、よくあることではないだろうか。

この人たちは、わざと上司が忙しいときをねらって相談をしているのだろうか。
電話が鳴っているのを知っていて、知らんぷりしているのだろうか。

そうではないと思う。
ただ単に「気付いていない」だけなのだ。


「人に興味を持つ」ということは、気付きを促し、適切な対応や行動を取ることを可能とする。

上司が忙しい時に相談しても、良いアドバイスはもらえず(真剣に聞いてもらえないでしょうし‥)、時には不機嫌にさせてしまうこともあるだろう。
電話が鳴っていても取らなければ、自分の仕事でいっぱいいっぱいな人というレッテルを貼られてしまうかも知れない。


人に興味を持つことにより、周りに意識を傾けることが自然とできるので、
上司の今の状態や、隣の人が離席中で電話が取れる状態ではないということは、
瞬時に把握する(気付く)ことが可能となる。


状況を瞬時に把握(気付く)ことで、最もベストな行動を起こすことができ、
結果的にスムーズに仕事を進めることができるのだ。

段取りや仕事の組み立て方、進め方といった代表的なビジネススキルも、
「人に興味を持つ」ということを大前提とした上で成り立つスキルである。


ごく当たり前で普通なことかも知れないが、意識をしていないと、
人は自己内に向かって視野や思考がどんどんと狭まっていく。

常に俯瞰的視野(自らを上から見下ろすようにして全体状況を認識をすること)を意識して、自身を取り巻く360°の状態を把握するよう努めてみよう。

きっと、今以上に効率よく効果的に仕事を行えるであろう。


あとは単純に、「その人に興味を持ってどんどんと好きになる」ことで、
人としてもステキな関係が築けていけるだろう。


「人に興味を持つ」

実はとっても重要だけど、意識しないとなかなか身に付かない、
すべてのベースとなる大切なスキルなのだ。


*INAZUMAN*

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