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やりたいことの前に、経営課題の解決が先。

組織開発や人材育成、採用や制度設計、タレントマネジメントにダイバーシティなど、人事の仕事に携わる人間としては、人事戦略として掲げて、様々な施策を企画・立案し実行していきたいもの。

しかし、人事としてやりたいことがあっても、まず先にやるべきことは「経営課題の解決」であることを忘れてはいけない。

「経営陣が求めていることは何か、悩みは何か」をしっかりと理解し、それに対して満額回答が出来るように動くことが最優先なのだ。

この考え方は、人事業界では誰もがご存じであるだろうサイバーエージェントの曽山さんが、何度となく伝えられているメッセージのひとつでもある。


以下、以前僕も参加したイベントのレポートからの抜粋です。

「社員の強みを活かす人事制度」と「強い人事の条件」とは?

<経営陣の悩みに『満額回答』することが先>
社長や役員陣が今困ってることを解決することが、人事のやるべきこととして1番優先順位の高いものになります。
現場の社員からいろいろ話を聞いて気になる声もあるかもしれません。もちろん、それも大事です。しかし、それよりも経営課題の解決は大事なことです。

どちらかしか選べないとしたら、経営陣の満額回答をすることが先だと考えています。なぜかというと、現場の声をいくら積み上げても、経営課題を改善しない限りは業績は伸びないのです。

私自身もこれで失敗した経験があります。最初に人事本部長になった時は、自分がやりたいことばかりやって、役員会に報告を持っていったところ、役員の反応が全くなかったんです。
一方、別の日に、役員会であるお願いをされ、それを上手くまとめたときは、とても評価されたんです。

もちろん、現場の声も無視できないものですが、まずは「経営陣が求めていることは何か」を、しっかりと理解できているかが、今の人事に求められているものだと思います。


このメッセージは、僕自身すごく腹落ちしていて、何か施策を考える前に、そもそも「今時点の経営の課題や悩みは何だろう」ということに意識を集中させるようにしている。

もちろん、立場や役割によって、直接的に経営課題に触れることが出来ない場合もあるかも知れないが、全社で共有される事業戦略説明の場であるとか、トップメッセージで頻度高く出てくるキーワードなど、ヒントを拾える機会は思いのほかたくさんある。

そこをしっかりと拾って、上司や関係者と認識の共有や相違を確認したうえで、正しい理解をすると共に、次のアクションを考えるプロセスを踏んでいくのだ。

仮に、経営課題と向き合うことを疎かにして、自分視点でせっせと施策を練って実行したとすると…。
その施策自体は大きなズレはないものの、ドンピシャでもなく、必要かもしれないけど今でなくてもいいような、そんなシラけた結果になってしまう。


まずは、「経営陣が今この瞬間、一番悩んでいるホットな課題」に着目し、その解決に向けたアクションを最優先に実行する。

そうすることで、経営陣との関係や、部署や個人としての信頼を築くことが出来て、その後に、本当にやりたいと思うことを真正面からぶつけていくことが可能となるのだ。



ここからは余談だが、サイバーエージェントの採用基準はたったひとつと言われていて、それは「素直でいいヤツ」かどうかということ。

私たちが最も大事だと考えているのは、松下幸之助さんが重視されていたように、物事を素直にあるがままに見ることができること。つまり、自分のいい点も悪い点も素直に受け止め、向き合えることです。

もう時効だと思うのでオープンにするが、数年前にサイバーエージェントさんの人事労務ポジションの選考を受けさせてもらって、内定をいただくことが出来た。

結果的には、諸事情により辞退したのだが、サイバーエージェントさんの採用基準をパス出来たということは、ちょっとした自信にもなっている。

たまたまの偶然だったのかもしれないけど…。


*INAZUMAN*


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