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世田谷総合研究所 レポート№5

環八+世田谷通り×渋滞による経済効果

東京都大田区から北区を繋ぐ幹線道路・環状八号線(通称・環八)は、当然ながら世田谷も通ります。その世田谷エリアの環八と、“世田谷”の名が付く世田谷通りには、車とバイクのディーラーがやたらと目に付きます。(さらに言えば自転車屋も多い)国産車はもちろん、メルセデスやBMW、ポルシェなどの外車、そして中古車に至るまで。
むしろ、その二つの通りにディーラーが“集中している”と言った方が正しいような…

環八と世田谷通りにひしめきあうディーラーが、三軒茶屋や三宿にあるような飲食店やブランドショップ、雑貨屋などの店舗に変われば、世田谷全体がオシャレな街になると思います。しかしその想いは、世迷言でしかありません。

では、なぜディーラーが多いのかを分析します。
シンプルに考えれば、世田谷に車購入の需要があるから。
世田谷は新宿と渋谷に程近く、一見すると、便利そうに思えるのですが、交通ネットワークに弱点があります。例えば、小田急線「成城学園前」駅から田園都市線「二子玉川」駅周辺まで公共交通機関で出かけるにはバスを利用するしかありません。その所要時間を乗り換えサイトで調べると、30分前後。時間帯次第ではもっと時間がかかり、軽くバス旅行気分が味わえます。場合によっては、徳光さんが乗ってくるかもしれません。

小田急線、京王線、田園都市線、世田谷を通過する主要3路線はいずれも東西を繋ぎほぼ平行に走っています。世田谷を南北に移動する路線、広くとらえると東京の南西エリアを縦に繋ぐ鉄道はない!辛うじて繋げているのは京王井の頭線かしら。

もちろん世田谷ライフは、東西の移動だけでは成り立ちません。
時間に余裕があるならば、バスを利用しての南北移動もできます。しかし、スムーズに移動したいのであれば、やはり車が便利ですよね。(短い距離であれば自転車も)東京を南北に移動する必要があるのは自家用車だけではありません。営業車こそ環八&世田谷通りをフル活用します。

結果、環八&世田谷通りの渋滞がハンパないのも頷けます。
車はノロノロと進んでいくため、運転中にも否応なく沿道のディーラーが目に入ってきます。ショーウインドウに飾られたピカピカの新車や、程度のよさそうな中古車が否応なく目に入ってきます。

それはまさにサブリミナル効果。意識下のなかでショーウインドウの車が刷り込まれ、ジワジワと購入意欲が育まれていきます。渋滞がもたらす、購買サイクルの活性化!ディーラーにとって、環八&世田谷通りは考えうる最善の立地条件、と結論づけることができます。


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