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世田谷総合研究所 レポート№12

せたがやpayは、この先もお得なのか?


古くはクレジットカードに始まり、キャッシュレス決済、電子マネー、デジタル通貨、仮想通貨、暗号資産などなど、現金(貨幣、紙幣)ではないお金(?)が周りにあふれてきています。コロナ禍で現金が不潔者扱いされたことも、その潮流を勢いづかせました。さらに各種キャッシュレス決済のポイント合戦も、時代の変化に拍車をかけています。
そんな時代のなかで今回の研究テーマは地域通貨です。

とある休日、私はゴルフ練習場の支払いを「PayPayでお願いします」と申し込んだところ、受付窓口の方は「“せたぺい”ですね」との確認を。「せたぺい?」とオウム返しに聞き返すと。「世田谷のせたぺい、とってもお得なやつ」かなり前のめりでありながらも、ザックリとした回答だったので、さっそくネットでリサーチ。

「せたぺい」は2021年2月に登場しており、正式名は「せたがやpay」。コロナ禍で経済がダメージを受けるなか、自分にできる復興貢献をまず“地元・世田谷の商店の盛り上げ”から始めよう、という地域通貨。

昨年2月のスタート時の利用登録者数はリサーチできませんが、スタートから約半年後の8月20日には「せやがやpay」にチャージしたその場で10%のポイントを付与する「生活応援キャンペーン」を展開!(今年の1月31日に終了)さらに、「せたがやpay」で決済すると翌週に20%のポイントを還元する「地元のお店応援キャンペーン」も実施。
さらに商店側にも「せたがやpay」に加盟店登録をすると、3万円給付などの特典があります。

キャッシュレス決済戦国時代に打って出る以上は、なんらかのプレミアムが必要だというマーケットニーズに抗えなかったのだろう、と推察されます。

研究を進めるために、「せたがやpay」のアプリをインストール⇒セブン銀行で現金をチャージ。おっ!確かに10%のポイントが付いてきました。
もちろん「地元のお店応援キャンペーン」にも参加!マジで20%のポイント還元を体験しました。
で、還元されたポイントは、今年2月20日までの有効期限付。留保期間を長く置くことなく、スピーディに地元商店に潤いを再還元しなければなりません。差し当たって消費意欲がなくとも、期限内までに消費する理由を見つけるべきなのです!

なんと!2月18日午前10時からは、チャージしたその場で20%のポイントが付与される「1周年記念キャンペーン」がスタート!一人あたりのチャージ上限額(25000円)があるものの、ポイント有効期限は2022年8月31日まで。(ポイント付与は、2月28日午後5時まで。ただしキャンペーンの予算が上限に達した時点で終了)

そんなポイント付与&還元の原理・原則によって、世田谷区の経済は、2月中には上昇曲線を描き始めるはずです。

個人的には、「せたがやpay」を利用することで“地元の経済活性化に貢献している”という実感が十分にあります。“ふるさと納税”で世田谷区の税収を減らした自分に対する贖罪にも繋がります。

最後に研究成果として「せたがやpay」の使い勝手をレポート。
他のキャッシュレス決済に較べて、支払時のアプリ内手順が多い。
全国のセブン銀行でチャージできるのだが…“せたがやペイ”で買い物できるセブンイレブンは世田谷区内で20店舗。つまり世田谷区内には、チャージをできてもキャッシュレス決済できないセブンイレブンがたくさんあります。さらに個人的な見解となりますが、約1900店舗ある登録店のうち、普段使っているお店はほとんどありません。

今後も、世田谷区民以外のアプリ利用者の実態や、アプリから得られる顧客データは、どのように管理・活用されていくのかなど、キャッシュレス決済型地域通貨の行く末をウォッチしていきます。

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