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生検結果

8:20 採血
9:10 胃外科診察
10:40 消化器化学療法科診察

再発となれば、抗がん剤が変更になり、副作用で思うように食べられなくなるかもしれない。胃がん再発後の体調は坂道にボールを転がす様に悪化する。2年前、同病で亡くなった父を看取っているから良く知っている。全く食べられない。吐いて、吐いて、とても苦しんでいた。早く楽にさせてあげたいとどれだけ心の中で思ったか。

ちぃちゃん、何が食べたい?
フォワグラ!ロッシーニが食べたいな。

火曜、けんちゃんがフレンチをテイクアウトしてくれた。木曜はお取り寄せのうなぎ。最期の晩餐を楽しんだ。もう思い残すものはないと思っていたけど、なんせ体調がすこぶる良く、食欲もあるので、次から次へと最期の晩餐が思い付く。けんちゃん、まだまだよろしく。

今回も母は付き添いを断念。不就業日のけんちゃんが病院に付き添ってくれた。タリーズでコーヒーを飲みながら待っていると布部先生からの呼び出しベルが鳴る。

おはようございます。生検の結果は陰性でしたよ。実は陰性だったんですよー。実際CTでわかることって少ないんですよね。肝臓に白い影があれば絶対なんですけど、腹膜播種、腹膜って分かりにくいんです。腹水が溜まっていても、大丈夫ってこともあるんですよ、ほんと。なので、今回のように大腸カメラやってもらって、直接診て、怪しいモヤっとした部分を生検して確認するってなるんですよね。気になってるのは、前回高かった炎症の数値が今回は正常値なんですよね。膠原病の人とかは常に高いんだけど、加藤さんはもちろんそんなんではないし、癌性の炎症であっても同じで下がることはなくて常に高いんですよね。うーん。陳先生とも電話で話したのですが、多分継続治療になると思います。抗がん剤を変えるってとても決断のいることだし、今の抗がん剤がよく効いているってこともあるので。陳先生が考えてくれているので、あとで聞いて下さい。一応、僕の方で次回のCTは10月に入れておきますが、それまでに体調が悪いとかってなれば、緊急でCTを撮ることも可能なので、状況に応じて検査しましょう。では、次回のCTの予約して帰って下さいね。

中待ちで待つこと1時間半、陳先生からの呼び出しベルがなる。

お待たせしました、加藤さん。おかわりありませんか、、、再発です。所見から再発と言わざるをえません。布部先生は私の診断に影響すると思って言わなかったんだね。CTを見てもかなり厚くなっているし、この大腸検査を見ても、明らかに大丈夫な所と比べて、半分以下に狭くなっているから、このまま放置すると腸閉塞を起こしかねないよ。生検は陰性だけど、そもそも外から癌が押してるから、中の細胞を取って検査してもわからないよ。何よりCTとカメラの所見で明らかにわかります。3ヶ月前のCTでは写ってなかったのに、大腸もだけど、胆嚢も壁が厚くなってるから、進行が早い。腸閉塞になったらバイパス手術かステントを入れるか人工肛門になるからね。下痢くらいが丁度いいから、今後は食べるものには気をつけてね。次の治療も3週間以内には始めたいです。今後の治療はコレになります。

(副作用とか色々説明される)

あとゲノム検査をしようと思ってます。加藤さんに合った薬があれば見つかればいいので。聞きたくなければ言いませんが…でも残された時間を大切に過ごして欲しいので。この治療は大体4ヶ月くらいで効かなくなることが多いんです。国際的には余命9ヶ月。日本だと10ヶ月と言われてます。

(終末について私の気持ちを伝える)

わかりました。地域医療との連携を取れるように準備しますね。でも、まだまだ加藤さんに会いたいですからね。

その後看護師から諸々説明を受ける。

あまりにも布部先生と陳先生の言うことが違い戸惑う。一緒に聞いていたけんちゃんも私もエッーー!って感じ。

まだ現実として、受け止められないけど、少しずつ心の整理、身辺整理する事にします。

今日は無治療。来週22日からパクリタキセル(アブラキサン)とサイラムザを投与します。奏功率約40%を信じたい。

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