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笏谷石

笏谷石(しゃくだにいし)とは、およそ1700万年前の火山活動によって生成され、継体天皇が1500年前に発見したとされる石材のこと。主に福井県福井市の足羽山周辺で発掘され、その中でも足羽山北西山麓にある笏谷地区の石質が優れていたことから「笏谷石」と呼ばれるようになりました。
大きな特徴は、他の石に比べて石質が柔らかい点や青緑色の爽やかな見た目。水に濡れるとより青みが増して深い青色へと変化するため、別名「青石」や「越前青石」とも言われています。
笏谷石が利用されるようになったのは四世紀後期。古墳時代には舟形石棺、鎌倉時代には石仏や石塔などが確認されていて、現代に至るまで長い歴史を持っています。その後も加工のしやすさや美しい色合い、きめの細かさが人気となり、建築石材として石垣や礎石、瓦などに幅広く利用されてきました。
しかし、コンクリートやタイル、低価格の外国産石材が普及したことで笏谷石の需要が減り、1998年9月には採掘が終了。現在は笏谷石の魅力を発信するために、残された笏谷石を再利用する事業が増えており、食器やコースター、傘立てなどの生活雑貨が登場しています。

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